タグ： レンカ

　日本支部に籍を置くUGNエージェント。 　元々はレネゲイドとは全く関係のない環境で生まれ育っていた。家族構成は両親と2つ上の姉。姉は彼女に比べてあらゆる面で優れており、両親もそんな姉ばかりを可愛がり、妹のことはぞんざいに扱っていた。 　そんな生活が続く中、5年前のある日、姉妹揃って誘拐事件に遭う。これはFHの調達セル”ブラッディパレード”によるものであった。普通ならオーヴァードとして無理やり覚醒させられるかそのままモルモットとしてどこかのセルに売り飛ばされるかするところを、そのとき丁度このセルが所持していた遺産「誓約の瞳」の適合者を探していたということもあり(効果がこのセルにとってはかなり有用なものであるため、適合者が見つかればこのセル内で使おうという思惑があった)、彼女達は無理矢理左目を抉られ、代わりに遺産を嵌め込まれることとなる。 　その遺産と契約し、適合できたのは妹の方だった。彼女はオーヴァードとしての力を手に入れた。姉は遺産に選ばれず、身体がその力についていくことができずに隣で死んでいた。目を取られた痛み、目の前の男への憎悪、自分の身に起こったことへの恐怖――そして、「姉ではなく自分の方が優れていた」という優越感。様々な感情に呑まれながらも、彼女はこのFHセルで道具として使われることとなる。 　仕事内容は主に攫ってきた商品の洗脳。遺産を使い対象を意のままに操る力を手に入れた彼女には相応しい仕事だった。抵抗する彼等を黙らせ、服従させ、そして「マスター」――”ハーメルン”の思うままに処理する。初めはそんな非人道的なことを自分でやるなんて到底受け入れられるわけもないため激しく抵抗していたが、度重なる暴力により心を殺された彼女は、やがて文字通り「人形」として死んだように生き、ただ彼の従順な駒として過ごしていくこととなる。 　しかしそんな日々は突如終わりを迎える。自分の代わりとなる駒がセルに入ってきたからだ。マスターの命令だけを聞きそれに従い続ける生活を送っていた彼女は、自分が用済みになってしまったことにより彼と新入りのオーヴァードに強い憎悪を抱き、皮肉にもこれをきっかけに数年ぶりに自我を取り戻す。 　今までの所業、そして使い捨てられたという事実に激しい怒りを覚えた彼女はそのままセルを離反、UGNに転がり込んだ。FHのダブルクロスである上、自分の意思ではないとはいえ過去に何人もの一般人を手にかけているという前科もあるため決してすんなりとはいかなかったが、現在はUGNに正式に所属するオーヴァードとして認められている。そして先日、自身の住んでいる市で”ハーメルン”が目撃されたという情報を聞き、彼との因縁に区切りをつけるために動きはじめる。 　FHを抜ける際に抱いた感情に関しては、現在は少し違ったものに変化している。UGNに入り、守るべき日常を思い出したことで、”ハーメルン”に対する憎悪は「罪のない子供を攫って道具のようにしている」ことに向けられ、これ以上自分のような被害者を出さないためにも彼を止めなければならないと思っている。また、自身と入れ替わりになったオーヴァードに関しては、自分の立場を取られたことへの憎悪は消え去っており、今は自分と同じ道を歩んでほしくない、出来る限り早く助け出してあげたいと考えている。 　――――― 　一人称「私」二人称「貴方/君(対生徒)」三人称「(苗字)さん」。 　おっとりした話し方が特徴。いつも優しげに微笑んで生徒達のことを見守っている。(《代謝制御》を使用しているため)。 　深い緑の髪を右サイドで三つ編みにしている。瞳は垂れ気味の翡翠色だが、左目には真っ黒な石が嵌まっている。前髪はそれを隠すように右から左にかけて長くなっている。 　綺麗目のジャケットにスカートといった清楚な雰囲気の服装を好む。 　好きなものは自然、紅茶、子供。嫌いなものは子供を虐げる人間。苦手なものは暗い場所。 　――――― 　ノイマン×ウロボロス×ソラリスのトライブリードで、相手を右目で”視る”ことによって柔らかな幻覚を見せ、意識を刈り取る能力を持つ。 　左目に嵌まっている遺産を使えば相手に悪夢を見せたり相手の意識を乗っ取ったりすることもできるが、UGNに入ってからは一度も使っていない。 　余談だが、FHセルにいたときのコードネームは「木偶人形“アーテムプッペ”」。

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