タグ： 孕む六月の果実

【性格】 緋野組の現組長。裏社会では頭の切れるやり手として知られている。豪胆な男ながらも昔気質で情に厚く、一度仲間と認めた者は死ぬまで家族と考える。その一方で、敵や裏切り者に対しては冷酷非情であり、彼を怒らせると手に負えないと噂。 社交性豊かでよく笑う。冗談を言ったりすることも多く、気難しい方ではない。 実業家としても優秀であり、緋野組の合法ビジネスも違法ビジネスも現在概ね順調。警察とは表面上対立しているが、裏では情報提供などの協力体制も整っている。 【生い立ち】 大分県某所、先代緋野組長とその愛人の間に生まれ、7歳までは母親と2人で貧しいながらも幸せに暮らしていた。組長と正妻の間にも息子がいたが、体が丈夫でなかったために跡継ぎとしての素養が危ぶまれ、当時小学生だったイヅルが養子に迎えられる。 実の母と引き離され本家邸宅に住むこととなるが、持ち前の明るさで義弟とはすぐ打ち解け、緋野組の構成員たちにもその利発さを評価されるようになっていく。義母にだけは疎まれたが、義弟からの擁護もあり、直接悪意をぶつけられることもなかった。習い始めた剣道もすぐに上達し、学校でもいじめっ子から義弟を庇ったりと良き兄であり続けた。 イヅルが高校に上がる頃、義弟が重度の肺炎で亡くなってしまう。イヅルは正式に跡継ぎとなり、義母からは一層憎まれるようになる。大切に思っていた義弟の死や、義母や彼女を慕う者達からの相次ぐ嫌がらせに、明るく活発だったイヅル青年も塞ぎ込みがちになっていく。 そんな日々に耐えかねたイヅルは、ある日跡継ぎの肩書きを捨て、家を飛び出し実の母親の元へ帰ろうとする。だが、幼い頃の記憶を頼りに見つけたその家に母親はおらず、何ヶ月もかけて行方を探っているうちに彼女が街の病院に入院していることが判明する。高い入院費用全てを緋野組長が負担していることを知ったイヅルは、恩を仇で返すようなことはできまいと緋野の家に戻り頭を下げて再び跡取りの座に収まることとなる。 その後勉学にも稼業にも熱心に取り組むイヅルの姿を見て嫌がらせも徐々に減り、成人と同時に若頭を襲名する時には誰も異議を唱える者はいなかった。 若頭となったその翌年には、緋野と並んで九州の二大勢力であった暴力団の組長令嬢を正妻に迎え、息子（朱鷺臣）と娘（撫子）を授かる。 33歳の時に先代組長が亡くなり、ようやくイヅルが組長を襲名することとなる。若造と舐めてかかった他の組を時に金で時に権力で時に暴力で殴りつけては次々と返り討ちにし、九州全域を手中に収めると、更なる勢力拡大を掲げて大分には分家を残し本家を深塚へと移した。現在は若頭を襲名した息子とともに、稼業に精を出している。

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