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なるうみ　いあ 司書をしながら弟の鳴海歌恋（なるうみかれん）(16)と2人で生活している。 裕福な両親のもとに生まれたものの、男を望んでいたために彼女は幼い頃から親の愛に恵まれず、孤独の日々を過ごしていた。 やがて弟が生まれるとその立場は確定し、家族としてではなく、弟の世話係のように、姉としてもまともに会わせてもらえない半ば軟禁じみた生活を過ごすようになった。 しかし、この現状は全て自分が悪いのであり他の誰も悪くないと思い、またまともに会話することのできない弟にも陰ながら大切に想っていた。 ところが両親が事故により早逝し、しかし兄弟は親戚中をたらい回しにされた。彼女は弟が孤独で辛い思いをして欲しくないと思い、また愛を知らない彼女は残された弟が親を失うことで誰からも愛されなくなることを恐れ、彼を守るべくあらゆる努力を彼の人生にために注ぐようになった。 彼を養うために学生時代は働き、その傍らで勉強も怠らず、さらに危険から守るために独学で武術も学んだ。 周りはこんな彼女を異常、偏愛者と呼んでいるが、当の彼女は気にしていない。 彼女にとって弟が人生の全てであり、たとえ家族として認識されていなくとも（少なくとも彼は忌愛のことを昔から世話をしてくれる優しいお姉さんと思っている）決して惜しまぬ愛をただただ捧げている。 ちなみに忌愛は歌恋のことを「かれんくん」と呼び、歌恋は「いあさん」と呼んでいる。 歌恋は幼いころから親に一人っ子と言われ続けていたために忌愛が実は姉だと微塵も考えていない。そのため彼は実姉にもかかわらず初恋の相手は忌愛であり、今もなお慕い続けている。

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