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上総国請西藩の第3代藩主、林忠崇の使用していた大太刀。大太刀にしては小型のほうだがやはり太刀等に比べるとやや実戦向きではないため、使われる機会はそこまで多くはなかった。 その代わり、戊辰戦争の頃は交渉や会議が行われる部屋に権威の象徴として飾られることがよくあったため、そのあたりのことはよく見聞きした。 その後林と共に脱藩も経験。困窮時代には蔵に保管されていた。売られるかと思ってひやひやした。 昭和16年に林の天寿を看取ってからは都内の某美術館に寄贈され、今も現存している。 意外と穏やかな刀人生だった。 主の影響かうさぎが好き。特別神聖視しているわけではないため、うさぎ狩りやうさぎ汁も好き。 「献兎賜杯のお家柄」。お正月はうさぎとお酒に限りますね。 「真心の あるかなきかはほふり出す 腹の血しおの色にこそ知れ」 明治元年に詠まれた句は主の誇りだと思っている。小刀を所持しているが自決以外に使うつもりはなさそう。 献兎賜杯（けんとしはい）徳川幕府正月行事で、林氏が兎の肉の入った汁椀を将軍に献上すると、将軍より一番最初にお酒をいただけた。拝領紋の丸に左三つ巴は盃。その下に”一”の字を加えた、一文字紋が林の家紋となった。 「七夕一重太刀」銘の由来は7月7日に鍛刀されたためで、一重は家紋の一文字（いちもんじ）から。徳川家への忠誠の証。

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