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とあるツテで入隊した海軍志望の訓練兵。…と言っても、入隊はついこの前。軍事関連知識や武器の扱いはおろか、基礎教育も危うい。しかし、入隊前から『システマ』に異様に長けているという謎の13歳。 本名を忘れたらしく、身分証明書にはツテの名字を借りて名前にソラと書いてある。 「私ねぇ、ソラって言うの！お空が大好きだから、ソラなの！」 「お空をねぇ、ずっと見てたいの！見上げてたいの！」 後悔は、物心がついた頃から胸の中にある。 親という他者から、自分を守れなかった弱さ。 生まれてからずっと、親の虐待を甘んじて受け続けた弱さ。 いつか、親は勝手にいなくなるのだと、自分は暴力から解放されるのだろうと信じ込んでいた自分の愚かさ。 ……自分で変えなければ、何も変わるはずが無いのに。 朝起きて、殴られて、痛みを抱えて、家の中で息を潜めて、夜が来て、気絶するように眠る。 おんなじ日々を、何年間も繰り返していた。 幼い私は、ただ現状を受け入れることしかできなかった。 「殺さなければ変わらない」と気づいたのは、小一の秋。 家に帰りたくなくて、町を彷徨いた。 怒鳴り声が聞こえて、ふと路地裏を覗き込んだ。 ________怒鳴り声が、呻き声に変わる瞬間を見た。 男が、5、6人の不良を次々と伸していく。 たった一人で、見たことのない技術を使って。 あぁ、これがあれば 『親』を殺せる。 私が欲しかったのは「100%殺せる技術」だった。 刃物や銃に頼って、失敗したくはなかった。 跡をつけ男の自宅を特定した私は、毎日そこを訪れ技術を教えてほしいと頼み込んだ。10度目の礼で男が根負けし、私は晴れて弟子となった。 それからは、5年かけてシステマを学んだ。…そうはいっても、完璧に身につけることができたのは結局その一部だけだったけれども。 12歳の夏。雲一つない晴れの日。 私は両親を殺した。 殴りかかってきた父親の頭部を砕いてやった。後ろで悲鳴を上げた母親は、1秒後に黙らせた。 _____痛いほどの静寂が訪れた。 達成感と開放感だけがあった。罪悪感や喪失感は無かった。 湧き出す感情のまま、家の外に走り出した。 私は叫んでいた。……私は笑っていた。 私はその日、生まれて初めて『喜び』を知ったのだ。 以降私は大嫌いだった本名を捨て、師匠のツテで自衛隊の訓練兵となった。 「後悔なんてないよ。今、好きなだけ空を見ていられるから！」 以下通過シナリオネタバレ 蝶は私と夢を見る Aエンド生還 生還報酬により、全技能+5%の成長 「お兄ちゃん、大好きだよ！」 イリジアの花　Aエンド生還 芸術:イリジアの歌　聞き耳と同値。(心音を覚えた相手は、成功するごとにその相手へ永続的に+10の補正) 人間、触れた動物やイリジアの花と会話ができる。さらに、自身のイリジアの花を一時的に顕現できる。 サニドより伝えられし、言の葉の歌の原型。言語を必要とせず、あらゆる生命との交流を可能にする神々の歌。 1人だった家に、お兄ちゃんがいる。

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