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インドネシア人の父とフィリピン人の母、母国に6人の弟がいたハーフのホテルマン。 生まれ自体はインドだがすぐに母方の実家に引っ越した。というのも母方家族は貧困層に属する家庭であり、働き手がどうしても必要だったためである。フォーリ本人も幼少時代はベビーシッターのアルバイトをしていた。この状況をどうにかしようと、また学びができない現状は将来的に状況が悪化すると判断し、日本に出稼ぎに行こうとする。 先行して母とフォーリが行き、語学を学びながらも新聞配達と内職・パートで稼いでいた。しかし弟たちは勿論、父親のパスポートも確保できず、弟たちは国に残し父親は不法入国をする形で来る事になった。幸いな事に近隣の飲食店などでアルバイトとして就職することは出来たが、ビザ持ちの母親が主軸となり日夜働く事になっていく。 早くからあまり自由にできない生活を送っているなか、唯一のワガママが母にカレーを作ってもらうことだった。 父もその日は特に明るくなるし、母も具材に悩む事をこの料理は楽しんでいる様に見えた。時折父が母の味を真似て作るカレーも好きだったし、「違う」と言って教えている母の姿も好きだった。 そんな生活も16才を迎えてより力を入れるようになった。結局高校と大学は行かなかった。 やっと少しずつ自らの選択で何かをすることができる。 その時に母は亡くなった。配達業の途中で交通事故にあったようだ。 父には当時連絡も出来なかった。連絡を入れ現場に向かったところで不法入国者であることが露見する危険性もあったからだ。 自分の国から移って、更に危険を冒してまで日本に来たのは母と共に居て、母を守るためだったのだろう。それを知りながらも最後に2人を会わせることが出来なかったフォーリは大きくもやが残り、やがて住み込みのホテルで働き始めた故にか連絡も乏しくなり、少しずつ疎遠になっていく。

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