タグ： 庭師は何を口遊む

雪代 玄弥（ゆきしろ はるや）――ゼロの庇護者 33歳 男性 雪代 玄弥（ゆきしろ はるや）は警視庁特殊犯罪捜査零課(通称『ゼロ』 )に所属している刑事の一人だ。 彼は器用で俊敏な体と、その体に蓄えられた膨大な知識、そしてその知識一つ一つと現実を繋ぐ頭脳を武器に、様々な事件の調査に携わっている。 彼は知識を蓄えることが好きだ。知識は人を困らせることはない。医学、心理学、博物学、法律、そして、生物学――。ほかにもあるかもしれない。 彼が持っている知識の量は、それこそドラマなど、フィクションで出てくる刑事そのもの。知識の迷宮だ。それは、零課の同僚も知っていることであろう。 彼は「知識を蓄えること」が生き甲斐へと化している。いや、生き甲斐だった――相模原　涼(さがみはら　りょう)が死ぬまでは――。 彼女、相模原 涼の遺体は凄惨なものだった。今でも思い出すと心が痛い。どうして彼女があんな目にあってしまったのか―― 彼女が死んだその日から、事件現場にあった花にとてつもない嫌悪感を抱いている。記憶が曖昧で、なぜ嫌いになってしまったのかはわからない。ただ、花に対してとてつもない嫌悪感を抱いているのは確かだ。 知識を蓄えることが生き甲斐だった彼は、今や彼女を殺したであろう「庭師」を探すことが生き甲斐となってしまった。 彼は今日も、数々の事件を調査をしながら、胸の中で囁き続けているだろう――「庭師、お前を絶対に見つけ出す」と――。 ――しかし、彼は心の中で何か引っかかっている。何か――

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