タグ： Adonis専用うちの子達

「ねぇ、ソラ(空)って…。どんな見た目をして どんな色をしてるんだろうね？」 ーー… いつか、見てみたいな …ーー 青年は目が見えない。先天盲。それは産まれて 間も無い頃だった、生まれつき障害を抱えてきた彼は その後、2歳になるころには”視覚障害”を患い 物心着いた頃にはもう既にその目は何も映さなくなった。 人間の知識の80％は視覚から得るものが多い しかしそれを出来ない彼は、他の感覚に頼って生きてきた そうしなければ、この世界では生きられないからだ 聴覚で会う人々の声、足癖等を聞き分けた 触覚で家族や他の生き物、物を見分けた 味覚で色々な味を感じて、理解して、学んだ 嗅覚で様々な香りを嗅いで覚えてきた 彼には視覚がない。何も見えない。暗い世界。 暗いのか、明るいのかも感じられない。 自分を産んで愛情を注いでくれた母親の顔も 自分を育てて沢山学ばせてくれた父親の顔も 身の回りを世話してくれる、介抱してくれる 身近な人間から、動物、空も海も大地も建物も 全て彼は触り、想像するしか出来ないのだ…。 1人では生きることが出来ない たくさんの人に支えられてきた、沢山迷惑をかけて 沢山お世話してもらって。そうやって。 彼は今も病院に入院している ―――――――――――――――――――――――――― 病室の窓から吹き込む風が髪を揺らした 僕はそっと、そのみんなが言うソラの方を見るんだ 見えもしないのに…ね…？ふふっ。 いろんな人が色んなことを教えてくれるんだ。 ねえ、聞きたいことがあるんだ、イロって。どんなもの？ シゼンってどんなもの？にんげんってどんな顔してるの？ あぁ…。わかっているよ…。僕には見えない…。 見えないし分からないんだ、想像するしか出来ないからね …でも、もう。なんだろうなぁ…。 疲れてしまったよ。これ以上、父さんにも母さんにも 迷惑かけたくないなぁ…。ねえ…。どうしたらいいかな？ 「はやく、楽に、なりたい、なぁ…。」 ―――――――――――――――――――――――――― シナリオネタバレ注意 シナリオ「死願者面接」クリア後 彼は死ぬことが出来なくなった「青柳双葉」の記憶も消え 何故だろう？それら全てが、思い出せない。 なにか、なにか大切な、大切な存在が居た気がするんだ… 名前も声も触れた感触すら思い出せない。けれど それは自分にとって大切なナニかで それを酷く求めていたはずなんだ…。 手を伸ばしても届かない、わからない、誰かを 僕はずっと…。ずっと待っていよう…。きっと。 迎えに来てくれるから。 「今度は、ちゃんと手を離さないでね…」 【クリアシナリオ】 ・死願者面接 後遺症：自殺することが出来なくなる（発狂において自殺癖、殺人癖を引いた場合は自動的に殺人癖になる） →彼は永久に自殺ができない、苦しくても悲しくても 誰かに殺してもらうしか無いのだ…。 自殺という選択が出来ない、そもそも自殺とは？ ああ、なんて哀れな人間なのだろう。

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