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粗野で直情的。言葉遣いも荒く、第一印象は絵に描いたようなヤンキーだが、その実は正義感の強く義理堅い男。 自分を拾ってくれた所長に恩義を感じている。 【経歴】 東京都心の繁華街で生まれた古牧は古武術の師範であった祖父から「健やかに、正しく生きろ」と言われ続けて育った。 その甲斐あってか、彼は正義感の強く、義理堅い少年に育った。 しかし、祖父が死に、繁華街の片隅に佇んでいた思い出のある道場もビルに建て替えられネオンの一つになると、彼の取り巻く環境は一変した。 賄賂で風俗に通いつめるキャリア警官の父。浮気で知らない男と消えた弁護士の母。街を見れば、下を向いたホームレス、クスリで目が充血した若者と我が物顔で街を歩くヤクザ。幼い彼が裏社会の住人になるには十分な環境だった。 学校にはほとんど登校しなくなり、持ち前の身体能力と身軽さ、そして祖父から学んだ古武術を活かして窃盗グループに入った彼は、身分を隠して義賊として活動を行っていた。嬢を安く使う風俗店があれば金を盗み、クスリを売りさばくカラーギャングからは取引の情報を盗んでリークした。それは社会に対する復讐でもあり、自尊心を満たす正義のヒーローごっこでもあり、自分が捕まれば親の立場は崩壊する、ということを理解した自暴自棄的な親への反抗でもあった。 窃盗グループに入って2年経った頃、彼らのリーダーがヤクザに買われ、薄汚い仕事をするようになった。 それを気に入らなかった古牧は仕事の失敗を装い、身を隠した。しかし、グループは薄汚い仕事から手を離すことはなかった。 あまりに自分とグループの理想が離れていることを感じた古牧はグループを抜けることをメンバーに伝えるが、メンバーはそれを受け取らず、その代わりに拳を古牧の顔面に叩き込んだ。彼は名の上がった窃盗グループのリーダー格として警察に売られる手筈になっていたのだ。 全てに裏切られ、絶望した古牧は浴びせられる罵声や蹴りを押しのける気力すら失っていた。意識が遠のきかけたその時、「動くな！」と何者かの声が響いた。周りを見ると、仲間たちは警官に取り押さえられ、目の前では私服を着た人間がこちらの容体を気にして声を呼び掛けているのが見えた。そのまま古牧は意識を失った。 その後、病院で目を覚ました古牧の前に現れたのは探偵を名乗る自分の容体を気にかけていた人物だった。 その探偵は事の顛末を彼に教えた。窃盗グループの被害者から依頼され、リーダーを追っていたこと。グループの中で最近消えたメンバーがいること。それが古牧であり、その古牧が売られようとしていることに気付いたこと。グループは全員確保され、古牧も含めて保護処分、少年院送りになること。 そして、探偵は古牧を助けることができなかったことを謝った。 古牧は探偵に自分を雇ってくれ、と頼み込んだ。彼にとって縋れるものがこれしかなかった、というのもあるし、自分を助けてくれた恩義を、彼は返したかった。 探偵は困惑しながらも了承し、罪を償うまで待ってくれることを約束した。 その後、18カ月の勤めを果たしたあと、古牧は探偵の元で用心棒として働いている。

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