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ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 【雨園 悠】は【普通の男子高校生】だ。 幼いころから両親が他界し、今は里親の元に住んではいるがそれ以外は至って普通の存在だ。 普通に学校へ行き、普通に授業を受け、普通に幼馴染たちと日常を営んでいる。 しかし、彼には他とは違う存在であった。そう、彼は【オーヴァード】である。 オーヴァードとしての彼は普通ではない。 オーヴァードは本来、自らのレネゲイドを自在に操り、力へと変える能力を持つ。 しかし、彼は違った。 彼に内に秘められた力は操ることができず、彼に【殺戮】を呼びかける。 それは、誰かと触れ合う時により一層増してくる【衝動】だ。 故に彼は誰とも触れ合おうとしない。 心を許した人間であればあるほど、彼は触れることができないのだ。 彼がオーヴァードに目覚めたのは2年ほど前のことであった。 里親と共に住んでいた住居が火事に襲われ、自分の命を含む全てを失うことを覚悟した。 その時、炎の中から異形の悪魔が現れた。 【名前の無き悪魔】は、彼にこう言った。 「死を覚悟するなど、お前はつまらない人間だ。だから、私がお前の生を面白くしてやろう。」 辺りの炎はまるで吸い込まれるかのように彼の中へと入っていった。 里親も自分も生きながらえることができた。 そう思い安堵の息を吐いた途端、彼は内なる【力】と【衝動】に気付いてしまった。 それでも彼は、彼と人々のために、【普通の男子高校生】として生きようとしている。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

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