タグ： 蜜ノ時雨

代々有能な執事を排出してきた一家の生まれであり、幼い頃から執事としての基礎を叩き込まれてきた。 5年前に仕えていた資産家邸が火事に見舞われ、その際に顔に大火傷を負う 仕えていた資産家一家はその際全員死亡。執事のみが生き残ったという事実に一家からも見放され自身も負い目を感じていたが、今仕えている桃咲に拾われた。絶望の淵にいた自分に手を差し伸べてくれた桃咲への恩返しのため、日々仕えている。 東京大学出身。 ピアノ演奏はプロ顔負けの腕前 主を守るための格闘技も身に着けている 一人称　わたくし 二人称　〈名前〉様 三人称　〈名前〉様 「わたくしは背尾洲一。桃咲様の執事をしております。以後お見知りおきを」 「なるほど。〇〇様、そちらの本、少し拝見させていただいてもよろしいですか？」 「わたくしには、帰る場所など、もうありませんから」 「おまかせください。どこまででも、お付き合い致しましょう」 「我が主を傷つけようと言うのでしたら、こちらとしても見過ごすわけには行きません。お帰りいただくと致しましょう」 「なるほど、奇妙奇態なこともあるものですね。」 かつて仕えていた主人は鹿王 守(ろくおう　まもる)(65) 大正から続く由緒正しき家柄。 会社経営を行いながら、自由気ままに道楽生活をしているイケオジ 背尾洲には無理難題をふっかけ振り回しながら、互いに信頼の置ける主従関係となっていた。 数年前、深夜11時にキッチンから上がった火が館を回り全焼。 火の音で目を覚ました一は速攻で主人の元へと向かうも、廊下は火の手が早く周り燃え盛っていた。 守を支え脱出を図るも、廊下は通れないため二階の応接室を通ることになるが、そこも既に火の手で包まれていた。 火を避けながら応接室を進む途中、12時を示す大時計の音が鳴り響いた。 それを合図とするように壁が崩壊。真横の燃え盛る大時計が二人に倒れかかってきた。 轟音の時計の音と共にスローモーションで倒れてくる大時計、避けられない。そう思ったとき守は一を突き飛ばし、火の手の少なかった部屋中央へと突き飛ばした。 最後に彼が見えたのは、守のにやりとした笑み。 「この老いぼれからの、せめての礼だ。生きろよ、背尾洲」 薄れゆく意識の中、その言葉を聞いた。 消防士の背中で気がついたとき、目に入ったのは黒焦げとなった大時計と、その下にある黒い死体だった。 入り口付近も火の手が大きかったらしく、逃げ出そうとした婦人や弟、使用人達も間に合わず、唯一生き残ったのは背尾洲のみだった。 絶望に暮れながらも、｢生きろ｣の一言に縛られ死ぬこともできない彼を救ったのは、守と同じように自由で悪戯ぽい笑みを浮かべる桃咲 奏だった。 通過シナリオ 〜Einsam Lüge〜　「君と紡ぐ物語を」

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