タグ： 板井厨房

「私の名前は、磔刑月フタバ……だと思います。多分」 　記憶喪失の女性型レネゲイドビーイングロボ。見た目だけなら人間と大きく違った所はないが、強いて言うのなら画風が厚塗りな感じがする。むしろロボットとして見た時の方が違和感があるほど、人間離れした部分が存在しない。 　自分の名前以外は殆ど何も覚えていないが、二つだけ明確に覚えていることは、豊富な医学知識、そして『正義の魔法少女』と『FH』に対する敵意である。 　正義の敵を堂々と自称する一方、言動自体は非常に物腰柔らかで穏やかなもの。生まれたばかりの彼女を保護したUGNを何故か悪の秘密結社だと思い込んでいるらしく、ホワイトハンドのエージェントとして命令には従順に従う。 「こんな危ないウィルス作って……私、何がしたかったんでしょう？」 　戦闘スタイルは謎の細菌兵器『ロザリオウィルス』を用いたもの。免疫機能ごと体のあらゆる神経を食い潰す、とんでもないウィルスである。培養したサンプルを詰めた手榴弾を雑に投げて攻撃する様は悪役にしか見えない。 　ロザリオウィルスの培養は、現状彼女にしかできていない。UGNのソラリス能力者たちによって解析されているが、ここまでの攻撃性を持つウィルスが非活性状態で「存在できる」こと自体が土台あり得ないことであり、ウィルスも含めて一体のレネゲイドビーイングだとか、そもそもウィルスの方が本体だとか色々言われている。本人もロザリオウィルスについては全く覚えていないが、培養は出来るのは本能的なものらしい。 「ふふふ、これも全てはあのお方のため……あのお方？」 「ああ、誰かが……私の隣には、誰かがいたはずです」 ロザリオウィルスLA型：lamentabileの意味。 ロザリオウィルスMO型：morendoの意味。

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