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糸上 いつわ ツートンカラーボブの女の子。 普段は治安の悪い街でアングラなお客様専門で探偵してる。趣味は芸術鑑賞。 「殺人アーティスト」を自称する殺人鬼。本人曰く「こっちが本業」 ターゲットを決め、ターゲットをひたすらストーカーしまくって情報を集め、その本人をテーマとした芸術作品として殺害して、遺体を記録で飾り立ててその人物を暴くという手の込んだ(回りくどい)ことをする。 (その際のストーカースキル磨きしてたら探偵になれてしまった) 彼女の戸籍上の本名は「糸上 真実(いとがみ まなみ)」。 しかし、「糸上 真実」と名付けられた本人は彼女の中で眠っている。 「いつわ」は、本来は「糸上 真実」の副人格。 真実と真逆の、偽りの「いつわ」 派手な化粧と服装は彼女本人の趣味でもあるが、「糸上 真実」の趣味と真反対の格好をする事でこの体の所有権を主張するため。 「糸上 真実」の家は、商社のエリートの父、料理上手な専業主婦の母に、成績優秀で人気者の兄、可愛らしい妹である本人と…、絵に描いたような周囲の誰もが羨む理想の家庭だった。 しかし、その内情は浮気癖のひどい父に、父の浮気に耐えきれず飲酒を繰り返すうちにアル中になり暴力を振るう母、麻薬に手を染めた兄と崩壊しきった家庭だった。 その崩れきった家庭の実情と、何も知らない周囲からの完璧な家庭であるという評価の差で板挟みになった「真実」は、崩壊した家庭を感じる記憶(女と歩いている父、酒浸りになる母、麻薬を吸った兄の言動など)を自身の人格と切り離し、もう1人の人格に預けることで、自分の家を「完璧で平穏な家庭」だと思い込むことにした。 結果、自身の家庭を「完璧で平穏」と信じきっている主人格の「真実」と、自身の家庭が「崩壊しきってる」ことを知り、そのストレスを一身に受ける副人格が出来上がってしまった。 そして、副人格は自分が一人格である事を認識しながら、自分に嫌な記憶や経験を押し付けて、見て見ぬ振りで偽りの幸せに浸る主人格を軽蔑し、とあることを実行した。 20になった夏の日、誕生日を祝われるためにリビングに降りた「真実」が見たのは。 リビングのソファーに仲良く並んで座る両親と、その横のソファーに座る兄。 まるで、暖かい家庭の一家団欒のような光景だった…その首の青黒い縄の跡と、冷めきった体温以外は。 その足元には、カーペットのように敷き詰められた、大量の父の浮気の証拠、母が酔って自身に振るった暴力の証拠、兄の麻薬売買の証拠。 自身が別の人格を形成してまで避けてきたこの崩壊した家族の"真実"を見せつけられた上に無残にも殺された「真実」は、そのショックで休眠してしまい……その体は副人格のものとなった。 自身の体の主導権を手に入れた副人格は、自身に「糸切 いつわ」と名付け、自分の"芸術作品"を置いて暮らしなれたその街を立ち去った。 これが殺人芸術家「糸切 いつわ」の処女作。

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