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自衛官。淡路島のここらへんで育つ。初めて道着をまとったのは３歳の頃だった。 あの頃私はフランスから着た５歳のベーキングくんにけちょんけちょんにされた。 復讐を誓った私は血反吐を吐くような練習をし，来る日も来る日も小麦粉をこね続けた。 その傍らで趣味程度に楽しんでいた柔道でなぜか中学生女子日本一になったが私に関係なかった。 十年後，久しぶりの再会を果たしたベーキングくんは既に立派なパン職人になっていた。 またしても私は負けたのだ。来る日も来る日もこね続けた小麦粉が一体に何になったというのか。 私は次の十年後，彼への再戦を懇願した。彼は挑戦を快く受け入れフランスに帰国した。 私は日本などという小さな島国で一番になりたかったんじゃない。 この男を倒すまでは，私は淡路島で二番のままなんだ。 世界を見据えた彼との戦いに備えるため，私は自衛隊に入隊。 何故か趣味でやっていた柔道は評価されたのだが，私が１３年間こね続けた小麦粉を彼らはバカにした。 この場所は私に厳しい。ここなら私はさらなる高みを目指すことができる。 趣味の柔道も出来るしね。ちなみに全国高校生柔道大会でもベスト４に入る。 そういえば，私が６歳の頃，ベーキング君が足をすべらせて転んじゃったっけな？ 私以外の奴に彼を傷つけさせるなんて許さない。私は必死で手当ての勉強をした。 あ、思い出した。彼が帰国した年のパン作りの時，ベーキング君が使ってたオーブンが壊れちゃったっけな。 彼のパン作りを邪魔するのは私だけ！いつでもオーブンが直せるようにたくさん勉強してたな。 自衛隊での訓練は大変。だけどもベーキング君との訓練の方がもっと大変。 高いところから突き落とされたり，危険な場所から急いで脱出したりするのに跳躍力は必要だよね。 私は毎日小麦粉を担いでジャンプする日々よ。 昔っから大きな機械をベーキングくん家で動かしてたんだけど，気付いたらどれもこれも扱えるようになっちゃたわ。

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