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「昔はひとの為にならなんだってできた。 　いじめっこは謝るまで殴るし、お願いされたら空だって飛べちゃったかもね。 　昔はよかったよ。でもずっとそういうわけにはいかないもの」 高校あたりの頃、家族旅行中に乗っていたバスが事故を起こし山道から車体ごと崖に突っ込む。 縦になったままの車内の中で目覚めた依里は、血だらけでぐったりしていた妹を抱きしめているしかなかった。 極寒の地であった為、日が落ちるにつれ暗く寒くなっていく。 その中で少しずつかき消えていく人のうめき声…腕の中でどんどんと冷たくなっていく小さな身体…あの恐怖は忘れられない。 そこから半日以上経ちようやく救出されるが、救出隊によると車内の状態は想像以上に最悪だったという。 生存者はオーヴァードとして生き返った依里と、意識不明のまま救われた妹のみだった。 不幸中の幸いか、妹は適度な体温維持と必死の応急手当てによって一命を取り留めたという。 もし依里が手を伸ばさなかったら…それも他のシンドロームであったならその命は救えなかったかもしれない。 「今はお金の為ならなんだってやるよ。妹の治療費で金が腐るほど要るんでね。 　でもこれも家族愛っていうより義務でやってんの。これ以上傷つきたくないから。 　正直火の車で、護りきれる気しないよ。でも悲劇のヒロインしてる時間もないみたいで。 　なんでもやってやろうじゃん、誰も助けてくれないなら自分が自分のヒーローになるしかないってね」 ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ 【現状】 今は色々仕事に恵まれて、大抵の時は公園前の交番でお巡りさん。 退屈な時は死ぬ程ひま。でもおかしな事や汚れ仕事よりかはよっぽどマシ。 とはいえ仕事は仕事、大枚出るなら大抵なんでも受ける。やるべき事はきっちり最後まで。 でも神さまがいるもんならもうへんな事に巻き込まないでってお願いしたい。いるもんならね。 【人物】 一番大切なものの為に、他はおおよそ下らないと認識しがち。故に金で動く。 防衛本能がこじれて他者への想いや献身が希薄。自分の身の事しか基準に考えられない。 仕事には積極的とはいえ全体的にスレておりサボれると分かればいくらでもサボる。 コインランドリーで拾った漫画を読むのが人生の楽しみ。 【コードーネーム】 鉄の焼ける泣き叫ぶような剣の反響音と、蝋の翼で飛び太陽に溶けて海に落ちた神話の人物になぞらえ、 「イカロスの絶叫」「イカロス·ディ·プロフンディス」(Lcarus·de profundis)と人は呼ぶ。 ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ 【】 ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

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