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半グール 物心ついたときから九臥は半グールであり、両親にも友人にもそのことを隠している。 普通の食べ物はまるで美味しく感じることができず、空腹が満たされることは無い。 最も古い屍食の記憶　田舎の山に家族三人で遊びに行っていたところ、判断を違えた車が親子三人に突っ込んだ事件が起きた。自分を抱えて亡くなった母親を見て、何よりも先に湧いてしまった「とても美味しそうだ」という感情、抑えられるわけもなく腕を少しばかり食べてしまった。 自分を愛し、守ってくれた存在を食べてしまったという後悔は凄まじく、不意に『美味だった、食べれて良かった』と一瞬でも思ってしまった自分を許せないでいる。　 一見不良に見えるが意外にも好青年である。他人に優しく、自分に厳しい。 その優しさは人の屍肉を食べて生きていることへの罪悪感の表れなのかもしれない。 人とは違うことを気にして生きてきた。純粋な人間になるために、目立たないように、バレないよう日々調査をしている。 そのためか中学から高校まで一貫して帰宅部だった。 緑茶は大好きだ。同じように味を感じるものがないか探しているが見つかったことはない。 九条美咲とHO1.2.4 初めて見たときから常に明るく誰からも好かれている九条を羨み、同時に憧れている。最初は遠くから見ているだけだったが、いつの間にかとても仲が良くなっていた。九臥にとって九条や友達と遊ぶ時間は数少ない自分の中の人間という部分を感じれる時間なのだ。 だが同時に、彼らとの間になくなることのないであろう壁（半グールと人間の差）があることを自分でも感じている。もしかしたら他人が見てもそのようなそぶりが見えるかもしれない。自分のことをあまり話さないのだ。どれだけ仲が良くとも半グールであると告白する勇気は、ない。 今はまだ叶わないが、いつか純粋な人間になれたときには、今度こそ、人間として彼らと。 逢坂とは九条の紹介で知り合った。逢坂と晩城は意見が衝突しがちだ。それを止めるのが通例となっている。 逢坂が九条と仲良くなったきっかけの場面を遠くで見ていた。人と人との交流とは素晴らしいものだ。この時改めて人間になりたいと強く思った 晩城から逃げた先にある安全地帯らしい。兄的存在だと思ってもらえてるのだろう。甘えに来るので優しい対応をする。泣いてるところ見たとか言ってない。 最近はなぜか距離を取ってしまう 晩城とは小学生時代からの親友である。公園で誰かが集団にリンチ・・いじめられているところを目撃した九臥は、溢れる怒りを抑えられず、晩城を助けにはいる。晩城が自分に素顔を見せてくれることをとても嬉しく思っている。彼には何度本当の子と話そうとしただろうか、親友と慕ってくれる彼にすべてを話すことができない。彼に対する罪悪感は日々増していく。いつか人になれたときは、きっと信じてもらえないだろうが、全てを話そう。 姫草とは晩城からの紹介で知り合った。 妹への愛の相談をよく聞いている。時たま愛が大きすぎないか？と思うこともあるが、血のつながった家族のいない壓也にとって、家族という枠を超える程の愛情を持てるというのは羨ましくもあった。 九臥も初めは「お淑やかで、可憐で、無垢な女性。成績優秀で、教授に気に入られている。生徒からの人気も高いが、いわゆる高嶺の花である。」という印象を抱いていたが、彼女はただのシスコンだ、という結論が出ている。

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