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個人的あるいはその時代の特色的な技能一つ→キック スーツアクターをしている一般男性。 初めは顔を出して演技をする俳優になろうとしたのだが、声を出しての演技ができなかったことと、目つきがきつかったことを理由に断られ、スーツアクターに。 主人公のようなキャラこそ出来ないものの、わきを固めるアクターとしてそこそこ頑張っている。 彼には特撮好きの妹がいるが、彼女は彼がスーツアクターであることを知らない。 彼には父親違いの妹がいる。 彼が中学生のころに母が懐妊し、少し年の離れた妹ができた。 当時は、その事実を母以外の誰も知らず彼もまた純粋に彼女を愛していた。 その時彼が好んで見ていた特撮ヒーローものを二人で見たり、遊園地に行ったりして心の底から、そう、心の底から幸せだった。 そうして生まれた一握の虚偽の上で成り立っていた幸福は彼が高校生になったころ、消え去った。 バラバラのもので出来上がった砂城は崩れ去るのが定め。 真相を知った父親が母親と心中したらしい。 警察はまだ幼かった妹のことを慮り、事件の真相を彼だけに話した。 彼は世界が崩れ去るような衝撃と共に一つが残る。妹のことを守らなければという執念にも似た想いが。 彼らの死は事故死として処理された。 妹は幼いためか、死というものを理解しきれずキョトンとしていた。 そして彼は妹を守るために、家族の破綻の原因となった「嘘」を自分がしなければならない矛盾を抱え、一人泣いていた。 そして、彼には進学の道は既になかった。援助が出るとはいえ、それだけでは妹に不自由を強いてしまう。 体だけが取り柄だった彼が妹を守るために選んだ道は、 彼女が未だに目を輝かせて見ていた、「ヒーロー」だった。

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