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琴葉 史織 26歳。国語教師。２年1組の担任。野球部の顧問（監督は外部講師）。 生徒には、「しおりん」「しおりちゃん」と呼ばれることもある。 幼い頃に教師だった父が病気で他界。女手一つで育てられる。母にとって唯一の父の忘れ形見である史織。そりゃあもう、教育にも力が入る。「お父さんは素晴らしい人だった」「お父さんのような人になって」これが母の口癖で、何度も何度も言い聞かされた。母親は史織が「一番」を取るととても喜んでくれた。母親のためにも、一番を取り続けなければ……。 そんな史織にとっての目の上のたんこぶが「桃枝」。 いつも余裕そうな表情で、史織が死にもの狂いで積み上げてきたものを、ひょいと追い越していく桃枝が憎くて仕方がなかった。 史織は桃枝のことを天才型だと思っており、だからこそ並々ならぬ努力で天才との差を埋めてきた史織にとって、意地でも負けられない存在だった。中学、高校時代は何かと二人で争い、切磋督増してきたが、大学になり、キャンパスが異なることもあり疎遠に。桃枝のいないキャンパスライフは何となく張り合いがない。亡くなった父の背を追ってか、はたまた心血注いだ、苦しくも全力だった青春時代の名残を求めてか、史織は高校教師を目指し、また勉学に励むようになる。 繊細だった母親は、史織が〇〇高校に就職する前年に、大病を患い他界。史織は天涯孤独の身になる。もう、一番を取り続ける必要はない。しかし、同じ高校に同僚として配属された桃枝の顔をみると、「あいつには負けられない」と反射的に思ってしまう。担当クラスの成績、部活の成績、酒の強さ（桃枝＜史織）、カラオケの点数（桃枝＞史織）、彼女の有無まで、何一つあいつには負けたくない。尤もらしい理由なんてない。これはただの意地の張り合いだ。 何故なら、2人は犬猿の仲なのだから。 ～～時系列～～ 小学校の進学塾のＳクラスで出会う。 中、高、大までエスカレーター式の進学校に中学受験で進学。 桃枝は理系、史織は文系へ進む。 部活動も文化部、運動部で正反対。 高校二年生の時には、生徒会長選挙で争う。校内が桃枝派と琴葉派で二分するが、体育会系の部活を優遇するような施策を発表し、運動部の大半を味方につけ、選挙に勝利。史織は生徒会長に、桃枝は副会長になる。 大学では学部が違い疎遠に。就職先で再開を果たす。

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