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｢私がレネゲイド災害緊急対応班、ルきゃ…………あぅ、噛みました。｣ ｢私を子どもと侮るのは勝手ですが、指揮権は移譲していただきます。ここから本件は、我々ルカ班の管轄です。｣ ｢神は罪を告解されたものを赦されました。ですが、悪事を為しその罪業を顧みないものへの裁きは、導きの時まで待たねばならぬのでしょうか。｣ レネゲイド災害緊急対応班ルカ班、その隊長職を務める少女。 前隊長デイビッドの年の離れた妹であり、同じ『聖銀の銃弾』と呼ばれる武器を振るい災害鎮圧を行う。 生真面目かつ努力家な点については兄とよく似ており、努力の末に他の隊長と遜色のない指揮能力まで獲得している。 しかし、たまに演説のセリフを噛む、疲れると甘いものを要求する、平時に侮られるとムキになる、等の年相応な面も随所にみられる。 出生はいわゆる試験管ベイビー。優秀な能力を持って生まれたデイビットと同等の能力を持つエージェントを輩出しようとした計画により誕生した。 母親は同じだが、父親は優秀なエージェントの精子バンクからランダムに抽出されたものであり、厳密は異父兄妹である。 家族からは『優秀な兵器』として扱われ、厳格な兄からは『一人の妹、かつ作戦に参加する一エージェント』として接されてきた。 そのため｢作戦行動に対する自信｣と｢兄への絆｣が醸成され、結果的に強固なロイスを持つルカ班のエージェントとして、兄が亡くなる2年以上前から部隊に帯同していた。 能力は兄と同じく射撃に特化したものとしてデザインされており、特に『重力の放出』を用いた精緻なコントロールを得意とする。 通常の魔眼よりも威力が劣る代わりに、自身の血でコーティングした銃弾を魔眼を利用して敵に叩き込む。 大きくコーティングされた銃弾が光が漏れ出る魔眼の中を駆け抜ける様は、星の海を血の杭が縫い留めるようとも称される。 事実、彼女の弾丸は杭をモチーフとして見た目の構築がなされている。 きっかけは3年前、"古代ダキアの紅月祭"の鎮圧任務に向かったとき。兄の背中を追うしかなかったあの日。 紅の月が照らす中うっすらと見えた不吉な仮面。"ノスフェラトゥ"、不死の王と名付けられた仇敵。 憎悪がその胸に芽生えてから、彼の敵を確実に殺すことを決意してから、血の弾丸はいつしか不死殺しの｢白木の杭｣と同じ形をとるようになった。 ～～～血絆のシルバーバレットを終えて～～～ 「あんな人と一緒にしないでください！今のルカ班長はわ・た・し・です！！！」 「皆さんは下がっていてください。この程度の事件なら私一人でも十分解決可能です。」 「お、大人だからって甘いもの食べちゃだめってことは無い。……ですよね？」 自身の支えとなっていた、兄からの信頼が｢自身を殺せないまやかしの約束｣＝｢デイビッドの裏切り｣と捉え、形ばかりでも兄を憎むことで事件を乗り越えたアリシア。 以降は「誰かさんの真似事」で無くなるように、真にルカ班の隊長として相応しい人物になれるように日々を邁進している。 段々と仲間に対しても甘えるのを止めるようになり、自分ひとりでも立てるほど強く、強くなれるように。 絆に頼り切って要らない情で回りを傷つけた兄の二の轍を踏まないようにするためには、たった一人で強くなるしかないと自分に言い聞かせている。 それはそうと人の性格なんてものは一朝一夕に変えられるものでもなく。 毎日3時の甘いものを控えることから頑張ろうと思いつつ、1週間耐えられたことはまだ一度もない。

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