タグ： カユ(プテ)

　推薦により警察官から刑事になった、期待の新人。証拠や証人を周到に集め、複数犯であろうと1人も逃さない粘り強い捜査を評価されている。周囲に心配されるほど仕事熱心。 　真面目で人当たりの良い好青年だが、犯罪者に対しては一切の情を持たない(ように見える)。一方で、被害者に対しては非常に親身に接する。 　一年ほど前から奇妙な悪夢に悩まされており、その影響で水に恐怖心、鏡や硝子に嫌悪感を抱いている。日常的に水を使用する場面では、冷水か熱湯を使う事で何とか日常生活を送っている。また、ひげ剃りの時に鏡を見たくないため、仲の良い同僚に頼んでやってもらっている。 　小さい頃は両親が多忙で、おばあちゃんに育ててもらっていた。おばあちゃんは駄菓子屋を営んでおり、悪ガキからの万引きにあっても笑って許してあげるような器の大きい人だった。しかし、自分はそれが許せず、そいつらに喧嘩を吹っかけては返り討ちにあっていた。そして、それを面白がってか、万引きはさらに増えていった。 　そんな事を繰り返すうちに、いつしか自分の方が喧嘩屋として有名になってしまった。知らない奴やヤクザみたいな奴からも絡まれる様になり、親や学校からは問題児扱いをされた。それでもおばあちゃんだけは変わらずに接してくれた。 　その日は珍しく喧嘩に勝った夜だった。真夜中に、電話が鳴った。おばあちゃんの駄菓子屋が燃えている、と。駆けつけてみると消火活動は既に終わっており、後には黒く焦げたガラクタだけが残された。放火だろうとの事だったが決定的な証拠が見つからず、犯人は捕まらなかった。おばあちゃんは悲しそうに笑いながら、どうせもうすぐ畳むつもりだったから、と言った。その後おばあちゃんは急激に老け込み、持病の悪化で間もなく亡くなってしまった。 　この事件で、一つはっきりした事がある。奴らは表面だけ叩いても数と勢いを増してまた生えて来るだけだ。駆除する為には徹底的に芽を摘み根絶やしにしなければならない。その為に自分が進むべき道は...。

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