タグ： 宝石卓

ジルモンドはとある王族の末子として生まれた。父王はダイアモンドである。母方の実家もまたダイアモンドの家系である、そのはずだった。 だがどうだ！生まれたのは半分は宝石の王たる資格を持つものの、もう半分はその贋作の出来損ないであったではないか！ 父王は一目見るなり、顔を赤くして『このうつけ者め！私をだましおったな‼』と母と赤子を追放した。 母方の家は反逆罪で一族皆殺しとなり、1人の女と幼子は寄る辺もなく彷徨うこととなる。 実は父王には、ジルモンドの上に10人の子がいた。皆、エメラルドやサファイア・ルビーといった名だたる『宝石の王』家系を受け継ぐものばかりであった。 だが、彼らは王にはなれなかった。神官の言うところでは「王にふさわしくなかった」らしい。みな15を迎える前に砕けてしまった。 彼らにダイアモンドは重すぎたのだ。神官は悩む王に神託を授けた。『光の血を引く者を妻に向かえよ。さすれば王たる器が得られん』 こうして王はジルモンドの母を側室に迎え入れたのである。ん？母親の名？…はぁ、昔のこと過ぎてもう忘れてしまいましたよ。 父王は神託に従って母を正室にしたんですけどね、こんなことになってしまいました。笑えますよね…まったく。 ああ、その神官なのですがね、神託を全部話してはいなかったんですよ。なぜだと思います？ ふふっ、その国の墓場はですね、『砂漠』なんですよ。だだっ広いね。 ところで、現代のサハラ砂漠には砂漠を住処にするヘビがいるそうです。 そういえば、あの神官はいつも曲がりくねった杖を持っていましたね。さあ？どうしてでしょう？ 話を戻しましょうか。王に伝えられることのなかった神託の続きですが『王たる器を得るだろうが、おまえはその器に砕かれる』というものだったようです。 え？どうしたんですか？「君は王を殺したのか？」ですか… 馬鹿なこと言わないでくださいよ。王宮を追放されたんですよ。殺しになんて行けませんって。 ？私の実家ですか？どこにあるのか…。そうですね、広ーい砂漠のど真ん中…ですかね。

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