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信念(イデオロギー):3(科学には全ての答えがある。)宇宙科学。宙の向こうに夢を見ていた。 重要な人々:☆5(パートナー)津島由乃(26)。高校からの友人であり恋人。 何故重要なのか:8(後悔)あの時俺が不注意なんて起こさなければ、彼の夢を奪う事はなかったのに。 意味のある場所:6(イデオロギーに関係する場所)高校の研究所。 特徴:8(忠誠心が強い)二度と彼を傷つかせない。 秘蔵の品:9(武器)ナイフ ​───────​─────── 卒業式の日に、立派な科学者になろうと約束した。 高校の時から科学部に所属して、大学も院も同じだった。 卒業論文の提出期限の迫る2月。ゼミの研究室には多くの学生がいて、こっそり寝泊まりしながら研究を続けていた。疲れていたんだとは思う。ちょっとした不注意で、屋上で煙草を吸って、そのライターを無意識に白衣のポケットに入れた。たまたまその日は由乃と2人きりで研究室にいた。彼は研究で可燃性の薬品を使っていたから火気は厳禁だったのに。 仮眠を取ろうと白衣を脱いで放り投げた。ポケットから父に誕生日に譲ってもらった金属製のライターが落ちて、火花が散った。 それからはよく覚えていない。衝撃と悲鳴と、ただ伸ばした手が酷く熱かった事だけは覚えている。 幸い死人は出なかった。それでも由乃は、俺の大切な恋人は、倒れてた瓦礫に足を挟まれて両足を無くし、脳に一部記憶障害が残った。時折、数時間の記憶を無くしてしまう彼は大学を中退した。そうして自分も。 どうして俺ではなかったのだろうか。どうして俺は火傷だけで済んだのだろうか。どうして、彼が夢を諦めなければならなかったのか。 後悔だけがぐるぐると頭の中を巡って、謝っても悔いても彼の足と失っていく記憶は帰って来ない絶望だけしかなかった。 それでも、彼は隣にいてくれた。もう二度と彼を傷付けまいと誓った。何に変えても守らなければならない。 だから、俺たちの周りを嗅ぎ周り面白可笑しく記事にしようとする記者を許す事は出来ない。 殺さなければ、排除しなければ彼を守れない。 だがここで記者を殺してしまったら関連性を調べられるかもしれない。記者は無差別連続殺人犯に殺された関連性のない人間の一人にしてしまおう。 だから誰とも知らない一般人を殺した。人間の急所を、人体を理解していれば人一人殺すくらいは造作もないと分かった。何かしらのメッセージ性、一貫性を持たせる為に意味もなく左手の薬指を切り取る事にした。 死体を運ぶ為の車を取りに戻った一瞬の隙に、現場には高校時代の後輩、會澤檸檬(ｱｲｻﾞﾜ ﾚﾓﾝ)がいた。 立派な小説家になっていた彼は何故か広大な自宅の裏庭の桜の樹の下に埋める死体を探しており、何故か一緒に埋めに行く事になり、何故かその後の死体の処理も手伝って貰っている。 いつか裏切られる前に何とかしなければならないかもしれないが、そこまで非情になれるのか甚だ疑問である。 現場には左の薬指と被害者の荷物のみが残されている。 由乃は高校時代から檸檬の書く小説を好んでおり、どちらかと言うと檸檬は由乃と仲良しで、そこで知り合った。 鳴海の殺人は目的の記者を滞りなく殺し、関連性が発覚しないように追加で数人殺すまでは終わらない。 普段は生活に困らない範囲で株を転がしたり投資をしたりしている。パソコンで作業をする時や本を読む時など時々眼鏡を描ける。 院の途中まで宇宙科学を専攻していたので数学や物理学などは得意かもしれないが、事故の事や引き摺る後悔の為決して口に出さないし一貫して知らぬ存ぜぬを通す。 夢の話は二度と口にしないと決めた。 咄嗟に顔を庇ったのと爆風を受けた由乃に無意識に手を伸ばしたので手から肩に掛けて(特に伸ばした左)の火傷が酷い。常に長袖手袋。 空手は5歳から習っている。 月と海が好き。頻繁に風呂に仰向けで浮かんでいる。偶に海でも浮かんでいる。常につまらなそうな顔をしている。よく空を見ている。 檸檬の家の裏庭にある桜の樹の下には、鳴海の殺した死体が埋まっている。 終わってしまうのなら、檸檬の手が良い。 意識を月に向けて海を揺蕩うように沈んでいけたら。

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