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福永幸生（ふくながこうせい） 薬学部。大学4年生。 定職につかず飲んだくれな父親と情緒不安定気味な母親の罵詈雑言を子守唄に育った結果、幼い頃から並大抵のことには動じない精神力や、無意識に人の顔色をうかがう処世術を身につけていた。周りからするとやたら大人びた子供に見えて気味悪がられていたが、中学に上がったくらいでチューニングを合わせられるようになった。 中学高校と陸上部に所属していて、全国大会に出場したこともある（専門は走り高跳び）。強豪大学から声がかかっていたが、将来の安定性をとって薬剤師になる道を選び、奨学金の出る成績で進学。地頭がいいので授業だけで理解できるタイプ。 大学ではサークルにも入らずバイト三昧。それでもルックスが良いので、何かと人の輪の中にいることが多い。周囲の普通な人間をうまくトレースしながら生きているので、見かけだけなら陽の者に区分されるほどのコミュ強。ただ、誰が相手でも特別親しい間柄にはなれず、上辺だけの付き合いになってしまいがち。自分の家庭の異常さを自覚すると同時に諦めることも覚えてしまったので、両親はもとより、あらゆるものに対して期待していない。表向き陽キャなのに中身が陰キャっぽい。 大学入学を期に実家を出て1人暮らしをしているが、放っておくと夫婦喧嘩で警察沙汰になりかねないので定期的に様子を見に帰っている。早く離婚すればいいのにというのが本音。酔った父親の気まぐれや夫婦喧嘩のとばっちりによってできた傷が今でも体に残っている。一人暮らしをしてからはありがたいことにだいぶ頻度が減ったが、たまに増えたりすることもある。

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