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（あしや かなで） 大手総合商社『藤沢商事』に勤務する会社員。 都市開発部門に就いている。 職業柄身なりが良く、雰囲気として金銭的余裕と爽やかさを感じさせる。 性格は真面目。 落ち着いていて協調性が強く、話し上手で聞き上手。コミュニケーション能力が高い。 現在のビジネスマンという職とは反対に、数年前まではホストクラブに勤務していた。 コミュニケーション能力の高さという彼の長所はホスト時代に培われたものであり、 入社以来右肩上がりの業績を上げ続けているらしい彼を支えるのは、元来の真面目さとそのホスト時代に得た対人スキルが主。 前職の影響か人に取り入ったり仲を取り持ったりする能力が高く、 どうやらそれが重宝されるようで勤続年数に反して社内での立場は決して弱くは無い。 自身より27歳年上の「鬼枝晴子」という女性と交際している。 取引先の代表の親族であること等があって社内ではあまり大っぴらに話題になることはないが、 交際の事実を知る人間の間では「どうやら本気らしい」と評判であったりする。 ホスト時代の不摂生が原因で体力に乏しい面がある。酒には弱い。 〈シナリオ〉 ・鬼に梔子 ───〇HOについて（鬼に梔子：外部者ネタバレ有）─── 貧困に喘ぐ、父親からの暴力が横行するような家庭で育った。 3人きょうだいの二番目で、姉と血の繋がらない妹がいる。 父親とはほぼ絶縁状態であり、母親は居ない。 妹は父親の再婚相手の連れ子。 その再婚相手は夫の暴力や稼ぎの無さ等のあらゆる面に愛想を尽かし、再婚してすぐに離婚し家を出て行った。 実のところは「子供を捨てる場所を探していた」だけに過ぎないのだが、 愛想を尽かしたという体の良い理由のみを聞かされたため誰もその事実を知らない。 実の母親は幼い頃に蒸発。しばらくして父が無理やり連れ戻す形で家に帰って来たが、その後病気を患い、最期は首吊り自殺だった。 自宅の和室が母の死に場所であり、自身はその死体の第一発見者。 苛烈な貧しさを経験した影響から、 就職し十分な稼ぎを得られるようになった今も「いつかまた無一文になるかもれない」という考えに囚われており、 金銭的な喪失に対して恐怖感を抱いている。ゆえに金銭や財産に激しく執着する。 物心ついたころから自分の幸せというもの全てを捨てたような人生を歩んでいる。現在の彼の行動原理はすべて「妹を幸せにすること」である。 ただ、妹に対する感情は溺愛のそれとは違い、「こんな父親の居る家に連れて来られてしまった可哀想な子だ」という哀れみと、 自分と同じく親の愛情を受けずに育ってしまったという同情から齎される優しさと愛情である。 献身の心は、 「自分のようにはなって欲しくない」「自分の代わりに幸せになって欲しい」という極めて自己中心的な欲望とエゴのみから来る自己犠牲であり、 その実妹の内心などというものは顧みてはいない。

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