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地方診療所の開業医、医大卒で専攻は精神科。 強面でぶっきらぼうな態度とは裏腹に、基本診察代は「自由診療式」となっており、払えない貧困層の大体は「ツケ」で済ませるなど 赤ひげ的な信念を持つ医師。 「病院では医者こそが法律」という考えを持っており、どんな身分があろうと自分の医院内で患者である限りは医師の言うことを聞くのが鉄則。 守れないものは力ずくか診察をしないことが多い。その信念で過去軍将校と大喧嘩した挙句逮捕される経験があるなど、度の過ぎた「頑固」でもある。 （幸運なことに軍内部に過去の患者がおり、丈量酌量ということで釈放してもらった。最後の最後まで軍将校の事をにらみつけていたと軍人は語る。） そんな経験から現在まで独り身であり、所帯を持とうとは思っていない。※not童貞 精神科を専攻していただけあり人間観察が趣味。治療は荒療治かと思えば、話し合いでのカウンセリングや内職や運動などの健全なスポーツを用いての自律訓練法や、当時まだ理解されていなかったであろう 精神病を「根性でどうにかなるものではないもの」と考え、「患者に負担の少ない治療方法」を試行していた。そのためか、過去施術を受けた精神患者たちと今でも交流している。 ・室内・ベッドを《目星》で探す→ 薬包紙に包まれた炭のような粉が、ベッドのマットレスの隙間に押し込まれていることに気づく。文恒に尋ねた場合、初めは分からぬととぼけるが、深く問い詰める、《心理学》で嘘と見抜く、または何らかの交渉技能を用いた場合、渋々といった様子でそれについて教えてくれる。 「十三に出していた薬です。人魄ですよ、それは」 「縊死者（＝首吊り自殺者）の下に溜まるのです。すぐに取らないと地中に沈んでしまいますので、掬い取って、熱酒に溶いて飲ませるのですよ。精神が落ち着く薬効があるそうです」 「本草綱目に書いてあったのですよ。藁にも縋る思いなのだと、きっとお分かりいただけるでしょうね」 《心理学》に成功すると、文恒の目の奥に微かな狂気の残滓を認める。0/1の正気度を喪失する。

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