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いわゆる昼行灯。陽気なアラフィフ予備軍。 顔周りに低温火傷の跡があるが、本人からすると”勲章”のようなものだと認識している。 凝り性であるがゆえに若いころに趣味にしていたトレッキングが高じて、世界の山々にロマンを感じ登山家としての今に至る。 身体能力は然程高くはないが、それをカバーする知識を持ち合わせている。ただ、それを中の人が活かせるかは別の話。 先に述べた登山家になった経緯にはもう一つエピソードがある。 友人である”双葉 辰雄（ﾌﾀﾊﾞ ﾀﾂｵ）”の存在である。 苗字が”2”と”8”を冠していることもあり、二人で10になるコンビとして有名な10山家…いや、登山家であった。 彼は知識を武器に山に挑む八戸に対し、類まれなる身体能力を武器に山に挑む登山家である。 出会いは高校生の時分にある。たまたま同じクラスなり、たまたま似たような名前で、たまたま同じ部活に所属し、たまたま同じトレッキングという趣味を持っていた。そこから始まった関係ではあったが”知識の八戸、身体の双葉”と周りから呼ばれるまでになった彼等は、幾度も互いに手を取り合い死線を潜り抜け、頂上を目指し、最高の景色を見てきた。お互いがお互いを戦友を認識している、とても深い関係である。 とある山へのアタックに、当時の八戸は自身のコンディションを理由に辞退したが双葉はそれでも、とアタックを決行する。 が、双葉は戻ってこなかった。 未だ帰らぬ双葉を見つけ出し、絶対に彼を連れて帰ると胸に近い、八戸 富雄は”狂気山脈”へ挑む…

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