タグ： 松神 談話室卓

卓アンケート ①彼は一部上場企業である自動車製造メーカー「ASAI」の御曹司である。 ②「ASAI」の元々の創業の歴史は江戸時代の人力車まで遡る、実に300年程、10世代は続く老舗。 ③兄弟や姉妹など、多くいたがその殆どは不幸な事故で亡くなっている。唯一生き残っているのは10は年上の長男(行方不明)、そして彼は三男である。 ④興味はある ⑤蒐集などはしないが、特に気に入ったものがあれば絶対に手に入れるようにしている。金以外にも交渉や嫌がらせなど平気でする。 ⑥オペラへの興味は勿論ある 「人間は自分含めて全て悪」という言葉をモットーとして生きる捻くれ男。 相手の全ての行動を悪く捉えることこそが生き残る秘訣であると考えている。 彼はかつてとある大企業の社長の息子として生まれ「天才」「神童」として誉れ高かったが、両親が起こしたある事件をきっかけに両親に恨みを持っていた親友にはずみで頭を思い切り殴られその後遺症で脳に障害を負い、軽い記憶を維持するのが難しい状態になる。 その後病院でリハビリを受ける最中、彼の親によって冤罪を被せられリストラされた元会社員に通院の途中を狙われて車で撥ねられてしまう。 その結果、両足を骨折し上手く走れない身体にまでなってしまった。 その後も立て続けに、誘拐やテロなどの不幸に遭った彼は訝しみ彼の周辺で何が起こっているのかを調査した。元々彼の両親にとって子供は存在自体特段求められておらず、価値も見出されていなかった。そんな二人が彼に対して唯一見出せた価値が自分たちに対して降りかかる災い全ての的になるようにすることだったということが発覚。 彼の両親は、自分たちの身だけを十全に守り、彼を無防備にすることで全ての悪意が彼に向くように仕向けていたのだ。 彼はそのことに気が付き、彼にとっての世界全てが悪意で染まっていることを知った。 18歳の誕生日を迎える直前、彼は自分の立場を利用して両親を惨殺した後、会社の社長の後釜を狙っている「薄井」との交渉をし、養子となり匿われる。 見事自由を手に入れた彼に与えられたのは一軒のボロ屋と生きるには不自由ない設備と月々の生活費。周りからしてみればどん底へ転がり落ちているようだが彼にとってこれほどの天国は無かったという。 その後彼は薄井家の養子として、元社長の息子として利用されながら成人するまでの日々をひたすら生き残ることだけを考えて生きていった。 成人の日を迎えた彼は、会社の金を持って田舎へと逃亡し、ごく普通のコンビニ店員としての生活を始めた。 目立たず、騒がず、誰にもその素性がバレることのないように、ただひっそりと。

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