タグ： 狂気山脈

篠宮那月の親友の篠崎陽奈。 高校初日、同じ中学からの人もおらず、友達を作ろうと思った陽奈は後ろの席にいた那月に声をかけた。流れで山についての話をしたところ那月も山が好きだということで意気投合した。昔の友達は山の話題で盛り上がることなどなかったのだ。那月とは話が合いお互いに親友として大切な存在になった。 いつものように話しているとふと名前の話題になった。陽奈は”ひな”と呼ばれるのが嫌だった。自分の名前は”はるな”だと。すると「陽奈って名前すごく似合ってて素敵だと思うんだよね！陽奈は陽だまりみたいに明るくて温かくて優しくてすごく素敵だと思うの！それに陽奈はお雛様みたいにすごく綺麗だから”ひな”って読み方もあってすごく素敵な名前だよね！！！」と那月は言った。いつもは”ひな”と呼ばれるときは略称のようなかたちで呼ばれることが多かった。でも那月はこの”ひな”という読み方にさえ意味を見出してくれた。陽奈にはそれがうれしかった。那月に呼ばれる”ひな”は嫌ではなかった。 二人が親友となっていき、時は過ぎ高校卒業へと迫っていた。二人は同じ大学へと進学を決め、登山サークルへと入った。 サークルの活動を積極的にしていた二人は卒業後の進路として登山家という選択肢を選んだ。 登山家として活動をして２年目のある日、二人のもとにある知らせが入った。それは狂気山脈の第一登山隊としての参加志願の話だった。二人は参加志願することを決めた。だが不運にも那月が胃腸炎にかかってしまい陽奈のみの参加となってしまった。 陽奈は登頂を果たして那月にどんな山であったかを伝えることを、そして今度は二人一緒にこの狂気山脈へと挑みたいという心をもち、「必ず登頂して見せる」と那月に伝え、狂気山脈へと向かっていった。

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