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私立探偵 手癖と足癖があまりいい方とは言えず、依頼主に対する猫のかぶり方が尋常じゃない。 依頼主から依頼料をたんまり受け取ろうと頑張っている。 腕っぷしは強いため、そのあたりのひょろい用心棒よりは役に立ちそうではある。 だが、素行が悪いのは俢三郎の家庭環境が影響している。 筑城家三男坊にして「出来損ない」と家族に罵倒される日々を過ごしてきた俢三郎。 当時武道系はいい成績を納めてたものの。勉学についてはてんでためで、順番は下から数えたほうが早い。 きっと大丈夫と優しく声をかけてくれた母上さえ、高等小学校に上がるときには見放してしまった。 そもそも自頭は悪くないのだが、彼は机にかじりついて行う勉学よりも、文豪たちが書いた書物や図鑑からの情報を覚える方が得意であった。 高等学校に上がった際、徐々に勉学を強要させる環境になり、最終的には彼の手から本を取り上げてしまった。 転機が訪れたのは、高等小学校卒業間際に母上が亡くなった時の事。 俢三郎は父上の申し出で、探偵をしている叔父へと預けれられることとなった。実質、勘当されたのだ。 その当時の俢三郎の見た目は「捨てられた恨みでいっぱいの猫のような眼をしていた」らしい。 叔父の家に来てからというもの最初はそりが合わず喧嘩の日々であったが、本を買い与えてくれたり、探偵の仕事を手伝っているうちに、心を開き同じ道を進むことを決意。 ずっと世話になり続けているのも…ということで、叔父とは別の探偵事務所（要はライバル事務所）へと入ることになった。 所属探偵事務所は、レディ・聖護院宮が建てた「千日紅探偵事務所」

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