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○ネモ／『花冷えに亡く季節』HO2 ・色素の限りなく淡いベージュ色の長い髪を緩やかに波打たせ、海のように澄んだ青い双眸をした少女。 ・ふんわりとした柔らかな微笑みが似合う、穏やかで和やかな少女。あまり強く出ることは少なく、いつも蕾が綻びかけるような微笑みを浮かべて、周囲を見守っている。 謙虚で礼儀正しく素直。 ・人と共に居ることは少なく、すこし離れたところで、基本的には物事を見守っている質。話し掛けられれば微笑みと共に答えはするが、あまり自分から積極的に話に行きはしない。 ・ただ、同時に他者を慮ることを大切にしており、周囲の人々を静かに見守り、観察している。ゆえに、周囲の変化には機敏で気付きやすい。 　けれどもやはり、あまり自分から行くことは少ないが、言葉を掛けるべき状況や重ねるべき状況では、きちんと己から言葉を紡ぐ。 ・幼少期から不可解な病気を宿していた為に、あまり人と関わることの無い生活をしてきた。 　家族は花と、その花が織り成す美しさを厭い、関わりを持とうともしなかった。 　一人きりの部屋で、膨大な本と共にひとりぼっち。 　たった一つだけの大きな窓が、世界と彼女を繋ぐ唯一のもので、その窓から景色を眺めることだけが、本以外の唯一の楽しみだった。 ・ひたすらに本を読み、外の世界に思いを馳せる内に、いつの間にか己でも文字を紡ぐようになっていた。こんな世界なんだろうか、こんなことが起こらないだろうか。夢に見たあれやこれやを、彼女の柔らかな性格を思わせる世界で紡ぎ、そうして、幾つもの羊皮紙に残しては、誰にも見つからないよう処分していた。私だけの世界、私だけの夢。誰にも見せることが無い、ゆめのはなし。 ・このまま、誰にも看取られることなく、見守られることもなく、花と共に死ぬのだと、ただ茫洋と漠然と思っていた。 　服の中に、袖の中に、手袋の中に、隠していたけれど、隠すことなど出来ないほどに成長していく花々。強まっていく香り。 　それが増すごとに、己が己ではなく、花に乗っ取られていくような感覚と共に、けれど、それをどうにも出来る手立てなどなかったから、ただ受け入れて、美しく淡く笑うだけだった。 ・だが、どういう意図か因果かは分からない。あれほどまでに、己のことを厭うていた家族が、どうしてか、己をサナトリウムへと送ることを決めて。 　気が付けば、いつの間にかその日になっていた。 ・己から咲く花のことは好いてはいない。 　たった一度だけ、「綺麗」と言われたことは、確かに支えである。思い返す度に、少しだけ、心が静まるようなそんな感覚で胸の内が満たされる。 　けれども、それでも、他者からの言葉は柔らかく微笑む表情の裏で、あまり信じることが出来ていない。美しい、と口にした裏側で、己のことを不気味だと厭うていた人間を、何人も見てきたから。誰にも気付かれないよう、他者の顔色や言葉を伺い、そこに本心の意を見い出せたらようやっと信じることが出来る。 　だが、その後にもやはり、どうしても人のことを、疑ってしまって、穿ってしまって。 　そんな自分がずっとずっとコンプレックスで、けれど、誰にも言うことなどなく胸の内に秘め隠し、ただ、微笑んで全てを受け流している。 　貴方たちがそう思ったならば、私は、それで構いません。 ・また、他者に触れること、触れられることへの抵抗感はとても大きい。自分から触れることは決して無く、他者から触れられたとしても、びくりと肩を跳ねさせ、さり気なく接触を断つ。 　どうしてそうなってしまったのか、覚えてはいない。 ・普段は「ネモ」と名乗っているが、家族から与えられた本名は「ネモフィラ」。小さく、青い、あの花の名前。 　心臓に根付いている花も、何の皮肉か、あの花と同じ色と形をした、そんな花である。 ・けれど、その名前はあまり好きではなくて。 　本名を名乗ることは、殆ど無い。 　「ネモ」と呼んで。そう、柔らかに、少しだけ悲しげに笑う。 　だって、私は、花なのか、人間なのか、「何者でもない」から。 【フレーバー】16：紫苑（しおん） 「遠いあの人を想う」「思い出」「追憶」 心にいるのはいつまでも過去の人。心の大半が過去にひきづられていることだろう。それは足かせかもしれない。けれど、幸福だと心から貴方は信じている。 ○通過シナリオ ・「花冷えに亡く季節」：ロスト ＜以下、『花冷えに亡く季節』HO2：花　秘匿情報有り＞ HO2 『　花　』　 症状：心臓に根をはり血管から花を咲かせている美しい花 君の心臓には花の根が巣食っている。血管を巡って花が咲き、美しい君を飾る。隠し通していたが、ついには隠せないほどに育ってしまった。 　性格： この美しい花は君にとって呪いのようで、コンプレックスだ。この花の所為で人々に迫害されて、独りぼっち。たった一度だけ「綺麗だ」と言われた思い出だけが、唯一の救いになっていた。 　病気： 重い病らしく、治療を受ける事が出来るのは18歳からであり、君はそれまでの間このサナトリウムで過ごすことになるらしい。 備考：君は生きているものに対して、自分から触れることに強い抵抗感がある。その理由は幼い頃の出来事によって記憶は固く閉ざされているようだ。 APPに関わらず見た目は麗しい子供だ。 APPが低い場合、迫害等によって心が荒んでいるのだろう。

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