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二万円 紅織愛(にまんえん くおりあ)
ID:3250977
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二万円 紅織愛(にまんえん くおりあ)
タグ:
真紅と純白の交差点
じゃこ式
じゃこ式二
じゃこ式二子
二万円家
立花家_jaco
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生まれ・能力値
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その他増加分
一時的増減
現在値
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初期
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幸運
知識
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SAN
現在SAN値
/
(不定領域:
)
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技能
職業P
/
(うち追加分:
)
興味P
/
(うち追加分:
)
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初期値の技能を隠す
複数回成長モード
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<戦闘技能>
成長
戦闘技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
回避
キック
組み付き
こぶし(パンチ)
頭突き
投擲
マーシャルアーツ
拳銃
サブマシンガン
ショットガン
マシンガン
ライフル
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<探索技能>
成長
探索技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
応急手当
鍵開け
隠す
隠れる
聞き耳
忍び歩き
写真術
精神分析
追跡
登攀
図書館
目星
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<行動技能>
成長
行動技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
運転(
)
機械修理
重機械操作
乗馬
水泳
製作(
)
操縦(
)
跳躍
電気修理
ナビゲート
変装
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通常表示
<交渉技能>
成長
交渉技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
言いくるめ
信用
説得
値切り
母国語(
)
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<知識技能>
成長
知識技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
医学
オカルト
化学
クトゥルフ神話
芸術(
)
経理
考古学
コンピューター
心理学
人類学
生物学
地質学
電子工学
天文学
博物学
物理学
法律
薬学
歴史
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戦闘・武器・防具
ダメージボーナス:
名前
成功率
ダメージ
射程
攻撃回数
装弾数
耐久力
その他
%
%
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所持品・所持金
名称
単価
個
価格
効果・備考など
価格総計
現在の所持金:
、 預金・借金:
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パーソナルデータ
キャラクター名
タグ
職業
年齢
性別
身長
体重
出身
髪の色
瞳の色
肌の色
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その他メモ
特徴表:鋭い洞察力、珍しい技能 職業技能:精神科医(EDU×10+APP×10) <精神分析>のロールに失敗しても、環境を整えたり投薬すれば再度<精神分析>ロールを行える。 元キャラシ文章URL:https://privatter.net/p/7470712 二万円詩聖と立花紅美子の間に生まれた子ども。同母兄弟姉妹はいない。 もともとは二万円家の近くの住居にて紅美子と二人で暮らしていたが、15歳くらいの頃に二万円家にやってきた。 と言っても、紅美子の仕事の関係でよく二万円家に預けられていたこともあり、二万円家にめちゃくちゃ馴染んでいる。 12歳年上の従姉に、染谷白守がいる。休日、よく白守の家に遊びに行ったりする姿を見ることができる。 医大の5年生。 兄弟の中で一部精神異常によって人生が歪んでしまっている兄弟を助けたいと思い、医学の道に進んだ。 まだ学生の身ではあるが、努力家であり勉学に励んでいる。彼女なりにみんなを救いたいと思い、いろいろ話を聞いてあげている。 とても優しい性格であり、いろいろなお悩み相談にも乗ってくれる。非常にしゃべりやすく、わりと何でも肯定してくれる話し方なので、気楽に相談を持ちかけられる。困ったら相談してみるといいかもしれない。 ところで、実は彼女自身も異常性癖を持っている。 そこそこ中度のヘマトフィリア(血液嗜好・血液性愛)を持っており、解剖の授業とかは心が躍る。ある程度は自制できているが、時折期限切れの輸血用血液を処分するといいつつ、一人でだらだら流して遊んでほくそ微笑んでる。街中でひき殺された動物とか見ると、明らかに心が昂ぶる。昂ぶるだけで別に自分から求めてないのでまだ大丈夫。殺したいという欲求はない、あくまで血を見たいだけ。 もちろん、これが一般的な感情ではないと認識しているので、全力でひた隠しにしている。二万円家でこの事実を知るものは、基本的にいない。両親にも伝えていないらしい。 最初にその兆候が表れたのは、幼少期。 従姉白守と遊んでいた時にたまたま見つけた、事故に逢ってしまった犬の死骸を見た時。小さな紅織愛は、「きれいだな」と思った。思ったので、「きれいだね」と、隣にいた白守にそう言った。それから、白守と一緒にその死骸を近くの公園に埋葬した。 この時に、白守は紅織愛にこう伝える。 『このことは、私と紅織愛だけの秘密。他の人には内緒だよ。』 それから、白守と会う時にだけ、死骸を探して埋葬するようになったという。 最初こそ、血を見て昂ぶる気持ちは単なる嗜好なのだろうと思っていた。だが、医大入学した時点の解剖実習時、今までにないほどの高揚を覚えたため、さすがにおかしいぞ?となり改めて調べたところ、「ヘマトフィリア」に行きついた。以後、自身はそれに相当すると考え、その性愛に向き合いつつも周囲から秘匿することを選んだ。 なお、症状の差はあれど、ほぼ同じ嗜好を持っている白守には告げたそうだ。 そんな日々を過ごしていた紅織愛に、運命の転機が訪れてしまう。 この時の紅織愛は21歳。医大というものは否応がなしに血に触れてしまうものであり、彼女の「血液性愛」がより深くなりつつあった頃のことである。より深く、より重くなっていく自身の性的欲求を、ひた隠しにして抑え込んでいた時の頃。 ある日、たまたま夜の街を歩いていたら、兄天使を見かけた。本当になんとなく、そっとついていったら、恐ろしくも美しい所業を目撃してしまう。そのときの情景があまりにも煽情的で、たった一度で目に焼き付いた。「きれいだな」、そう思った。 兄のお片付け(比喩表現)がすごく雑だったのを口実に、彼に内緒で掘り返してソレを光悦としながめたあと、きれいに埋めなおした。 その日から、しばらく彼のその所業を見守っていた。「こんなことをしちゃいけない」と思いつつも、やめることができなかった。あんなに真っ赤で美しい血潮を見せられたら。抑え込んでいた欲望が、紅織愛の心を飲み込んでしまった。 兄天使はどうやらお片付け(湾曲表現)が苦手のようなので、それをきれいにやり直して過ごしていた。 しばらくそんな日々を過ごしていた時、数年前に家を出たはずの姉麗友が兄天使と邂逅した日があった。どうやらどちらも、そういう所業(控えめな表現)を行ったあとのようで、鮮血にまみれた姿が、もはやこの世のものと思えないほど美しく思えてしまった。えもいわれぬ高揚感に、自身が染まったのを感じた。 そして同時に、今まで天使には存在がバレなかったのだが、隠れて見ていることが麗友によってバレてしまった。 最初こそ驚かれたが、この二人になら……自身の”コレ”を言っても……受け入れてもらえるのではないだろうか、そう考えてしまった。そしてそれを告げれば、二人とも笑いながら受け入れてくれた。 それからは、彼と彼女の所業(好意的な表現)の見学をさせてもらっていた。そして、昔していたように、その亡骸を、埋葬する手伝いをしていた。 これが一体どういった行為なのか。紅織愛は理解していた。理解しながらも、その欲望に抗えなかった。 そして、自身の秘匿の枷が、どんどん増えていく。どんどん積み上がり、その小さな身体に重くのしかかる。 だが、笑顔は絶やしはしない。どんな状況でも、普通を装わなければ。そう、私が決めたのだから。 そんな業を背負いながら、欲に溺れて早2年弱。4年生の冬くらいの、実習で帰りが遅れたある日、とある人物と紅織愛は出会った。 『其処のお嬢さん。今日のお召し物は随分とお綺麗で』 紅織愛がその人物を視認すれば、自分と同じくらいの背丈なのにとても堂々とした立ち振る舞いの中性的な人物だった。 「えっ、あっ、…はい? …私ですか…?」 『そうですよ、他でもないお前の事です。…ああ、どうかご安心を。私は少しばかりお喋りをしに来ただけ、何もこんな夜道でいたいけな女性に危害を加えようなどという気は毛頭ありません』 やけにもったいぶった言い方をするその人物の意図を掴めない紅織愛は、ただただ戸惑った。戸惑いながらも、目の前の相手の話を聞く。どうやら『Support Freaks Organization …通称"S.F.O."』というところからやってきた人物のようだ。話を聞いてはいたが、夜道に現れた人物ということもあり、どちらかといえば恐怖心のほうが勝ってしまったため、紅織愛は足早にその場を立ち去ってしまう。 帰宅後、紅織愛は改めて先ほど言われた言葉を反芻していた。 『私達は現状に不満がある方々をサポートする事を生業にしている者です。』 『逸脱した性を持っているのにも関わらず、普遍的な立場に留まっており、その所為で安心安全に満たされる事ができない……そんな全ての人達の味方、という訳です』 ”逸脱した性”というのは、一体何か。この人物がどうして自分の目の前に現れたのか。 『おや、思い当たる節はありませんか?』 考えればわかる。先ほどの人物は、”私の秘密を知っている”。どうして知っているかはわからない。だが、先ほどの会話を噛み砕けば噛み砕くほど、そう思えた。そう思ったら、訳が分からなくなってくる。思考回路がぐるぐるする。 『まあもし困った事があれば、名前でも呼んでもらえたら駆け付けましょう。まるでヒーローの如くね!』 先ほどの人物が言っていた、眉唾な話。 ”そんな人たちの味方”。 その言葉を信じてみるのであれば、もしかしたら。自分のこれも、どうにかなるのではないだろうか。 もしそうなれば。今自分がやってしまっている過ちも、やめることができないだろうか。 そんな考えが、頭を掠める。 ……………。 しばらくして、紅織愛は、あの時の人物ともう一回会ってみることにした。 その組織が、実際になにをしているのか、実際になにをしてくれるのか。それを確認してみたかった。 藁にも縋る思いで。 あの日と同じ時間、同じ場所。その人物は本当に呼んだらやってきた。 『其処のお嬢さん。今日のお召し物も随分とお綺麗で。』 『ヒーローを呼ぶという事は、お前にとってそれなりの事態が起きているのですかね?』 何から話せばいいのだろうか。あまり自分の身分は明かしたくない。なるべく自身のことをぼかしつつ、情報を聞いてみることにする。 「……あの日から、あなたの言葉をずっと考えていたんです。聞いたときは、急な話だったり…その…ちょっと時間も時間できちんときけていなかったんですけど…、家に帰ってから言葉を反芻しました。 ただ、記憶なんてものは曖昧なものだから…もう一度確認しておきたいなって思って…。 あなたがしていることを、もう一度きちんと聞かせてもらったりって…できますか…?」 その意思を告げれば。その人物は何をしているのか、何をしてくれるのかということを事細かに教えてくれた。 本来だったら個人の力では難しいであろうことも、組織の力でどうにかしてくれるそうだ。 それならば。 私のこれも。心の中で渦巻いている欲望も。 彼らなら、どうにかしてくれるのではないだろうか。 「えっと…あの………。もしよかったら……私もそれ、受けたりできませんか…? 私もその……ちょっと変な…性…癖……を持ってるみたいで…。 我慢出来たらそれが一番だったんですけど…。私って、弱いから……それに負けちゃうことが多くて……。 もしそれがどうにかなるなら…嬉しいなって……。」 他人に自身のことを明かす恐怖心と戦いながら、その言葉を紡いでいく。 最悪、目の前の人間は他人だ。他人なら、何があってもその先関係を持たなければリカバリーはできる。 そう言い聞かせながら、言葉を選びながら、それを告げた。 『えぇえぇ!勿論大歓迎です!再度私に出会う事を選んでくれたお前のその勇気に、心からの敬意をもってお返し致しましょう!』 その言葉を聞いたとき、心が沸き立つ何かを感じた。 自分のこれを……受け止めてくれる人間が、受け止めてくれる他人がいるのかと、思った。 目の前の人物はリコと名乗り、紅織愛をS.F.O.に迎え入れてくれた。 自分のこの底の見えない欲望を抑えるため、個人の力ではどうしようもなかった方法を提案してみたら、快く了承してくれ間も開かないうちにそれを叶えてくれた。 どうしようもなかったこの欲望を、ようやくなんの気兼ねもなく発散できる場所ができた。その事実がとても嬉しかった。 その後、定期的にS.F.O.に通っていた。もちろん周囲の人間には誰にも告げずに。 そして。 自分の欲望を、発散する方法を見つけたので。 彼の手伝いから、手を引くことを決めた。 「兄さん、あのね。 私…そろそろ勉強に専念しようと思っててね。今日でこれ…最後にするね…。今まで見学させてくれてありがとう。 …あまり、無茶はしないでね。」 紅織愛は、兄天使の非人道的行為の手伝いを、そこで最後にした。 理由はそれっぽいものを見繕い、変に勘ぐられないように、慎重にそれを伝える。兄は、特に気にする素振りもなく、それを了承してくれた。 これで、紅織愛の罪はこれ以上増えることはない。だが紅織愛は、その罪を償うことは選ばずに、隠匿する道を選んだ。正確に言えば、償うためにその罪を明かす勇気がなかっただけである。 真っ赤に染まったその手を洗うこともせず、バレる事実に怯えながらただひた隠しにして生きていくことに決めたのだった。 5年生に上がりしばらくした頃の事。 その日は実習で夜が遅くなっていた。そのとき同室していたのが、1年先輩の加賀美早希。堂々としてて聡明で、それでいて優しい先輩だった。話し込みながら片づけをしていたとき、実習の解剖器具が紅織愛の指を傷つけた。 手先に鋭く走る痛み、そして思ったよりも傷が深かったのか、血が滴れだした。自分のことは自分がよく知っている、こんなところでこんなに新鮮な血を見るのはマズい。せめて一人きりだったらまだよかったのだが、今は近くに早希もいる。勝手に沸き立つ心を尻目に、急いで止血をしていた。 『……ねぇ、血を見るとゾクゾクしない?』 紅織愛はその言葉を確かに聞いた。そして、明確に心臓が跳ねた。 その言葉は、間違いなく近くにいた先輩早希の口から発せられた言葉。 『……私は好きだよ。血。綺麗な色の血を見るのが好き。』 『……だけど、味わうのはもっと好き。』 『……吸っていい?紅織愛ちゃんの血。』 吸う…? 血を…? 頭が混乱して、困惑の声しか漏らすことができない。 早希はそのまま近づいてきて、紅織愛の手を取ったと思ったら、傷口を舐めるように血を啜った。 その姿を、紅織愛はただ眺めていた。自身から滴れる血を指ごと舐っていく早希の姿を見ていた。 そして、血を啜っていくその白い肌を見ながら、「きれいだな」と思った。 と同時に我に返る。 「あっ、えっ…早希さん、だ、ダメですよ…そんなこと……!?」 我に返ると同時に制止の声を発した。 しかし、まだそれを見ていたいという欲があったせいか、制止の態度までは示せなかった。 『あ、ごめんね。驚かせちゃったかな。我慢できなくてつい。』 『中二病っていうの?これ。昔気になって調べてみたんだけど、結局何なのかよく分からなかったんだよね。そんな名前の精神疾患なかったし。』 中二病…? でも、中二病ってだけで……人の血を吸うのかな……。これって……もしかして。 吸血性愛。なのではなかろうか。 自分の血液性愛の、亜種みたいなもの。調べてた時に一緒に出てきた。 じゃあ、早希さんは、私と一緒なのだろうか……。 『ま、その前に、怪我しないのが一番だけどね。これからは気を付けて。……色々と。』 うわの空で会話をしていたら、早希がそう言った。 慌てて気遣いの言葉をかけるも、ありふれた言葉になってしまった。 ああ、やらかした。もっと話を聞いて、あわよくば自分のことも言えれば、よかった。そう思ったがもう遅かったようで、話題は普通のものに戻ってしまっていた。ここから再び話を蒸し返すのは、すこしリスキーに感じる………。再度同じような……話題になることを、期待するしかなかった。 そして、その期待もむなしくそれ以上早希がその話題に触れることはなかった。 特に気まずくなる様子もなく、そのまま今までと同じ関係が続くように思えた。 それでいいのか。 ――――いいに決まっている。 変に日常を乱すより、今まで通り全てを隠し通して平穏に暮らすのが一番のはずだ。 それなのに、一抹の期待を心に宿しているのを感じた。 あれから一週間が経った。この日も実習終わりが遅くなり、また早希と二人で片づけをしていた。他愛のない会話がやり取りされている。一週間前の、あの日と同じ状況。なにかを、……伝えるなら今しかない。 なるべく直球にはならずに、相手を探れるような言葉を選んで……紅織愛は切り出した。 「ところで、早希さん。一週間くらい前に、……血の話したじゃないですか。………もしもですよ。私も同じことしたい…なんて言ったら、早希さんはどう思いますか…?」 なるべく自分の本質は伏せつつ、相手の意見を促せる質問。 『え?嬉しい。仲間じゃん。紅織愛ちゃんだったら吸われてもいいよ私。』 ほぼ想定通りの返答。自分の期待が確認に変わっていく。変わっていくのに、次の言葉を紡ぐのに恐怖感を覚える。 でも、紡がないとなにも始まらない。一呼吸おいて、勇気を振り絞って、ゆっくり声に出した。 「………私も、血が好きなんですよね……。見てると…なんかその……心が昂ぶるというか……そんな感じで。」 言ってしまった。今までほとんどの人に言ったことのなかったことを。身体が、心が、委縮しているのを感じる。 ………それでも、……早希さんならきっと。大丈夫と信じて。 自分を理解してくれなくてもいいから、受け入れてほしい。そんな想いが、心を渦巻いていく。 『へぇ〜?そうだったんだ。ということはあの日紅織愛ちゃんも……ふふ。』 「……まぁ、……その……」 そういうことになります。そこを突っ込むのは止めてください早希さん。 『そっか。話してくれてありがとね。それ聞けて私、何だか嬉しかった。私だけじゃないって分かったし。』 ……やっぱ、早希さんは優しいな。急に変なこと言いだしたのに、受け入れてくれた。私は、一体になにに怯えていたんだろう。 恐怖心が一気に氷解し、安堵の感情に満たされる。 『……ねぇ、紅織愛ちゃん。私たちさ、多分これからもっと……仲良くなれるんじゃないかなって思うんだよね。』 「はい、……これからもよろしくお願いします!」 今伝えておくべきことをゆっくり伝えて、これからはこういった話をたくさんしたい。共有できる人間が一人増えた幸せを、心から噛みしめていた。 嬉しいな。めっちゃ嬉しい。一緒に映画見たいな。白守姉ちゃんと一緒に見てたやつとか。 私と一緒なら、同じ場面で共感してもらえるかな?楽しみだなぁ。 なーんて、未来の友人との会話に想いを馳せた。 『付き合っちゃおうよ。』 「…………えっ!? つきあ……えっ!?!?!?!」 待って。 付き合う……っ?? 待って。 付き合うって。この流れで、えっ? ていうか、私は女で。いや、男女を分けるのはよくない。いやいやそういうことじゃなくて。 えっ? ……えっ? 『じゃあもう一回言うね。私と付き合ってください。』 その言葉を聞いて、この言葉は本気なんだと、認識した。 本気の言葉には、きちんと返答しなくてはならない。 早希さんはとても素敵な先輩で、頭もよくて優しくて。なにより、私のコレを受け入れてくれる稀有な存在だ。 正直言って受けてしまいたい欲があった。 ………でも、私という人間は、人と付き合っていい人間ではない。 自分の欲望に勝てずに許されないことに手を出してしまうような、最低の人間だ。 そして、それを償うこともせずひた隠しにしながら生きている、最悪の人間だ。 そんな私が、………こんな素敵な人と、付き合う資格なんてないだろうに。 その葛藤が、そのまま声に現れる。 「……………っ………。……………………、…。………わ、………私で、………良いんですか……? ……っ」 「………わ、……たし。……早希さんが思ってるより………良い人間じゃないですよ………?」 『私は紅織愛が良い。良い人間じゃない?関係ない。それも全部含めて愛すから。』 泣きそうになった。 こんなこと言われたら。 欲深い私はもう、この人に靡くことしかできない。 ありがとう、早希さん。 せめて、貴女の前だけでも、良い人間であれるようにします。 こんなにも。 自分本位な最低な人間でごめんなさい。 「……っ……! …………は、い……。よろしく……おねがいします………」 こうして、早希さんと結ばれた。 彼女はとても素敵な女性で、私の全てを受け入れてくれた。 私はと言えば、そんな早希さんの存在に甘え、今までになかった幸せをめいっぱい噛みしめていた。 こんな生活が、いつまでも続いたら、どんなに幸せなのだろうか。 ……余計なことは考えることをやめよう。 今は。 目の前の幸せに、溺れてしまっても、いっか。 純白になり切れない紅い愛は、紅い希望と混ざりあいながら今日もその欲望に溺れている。
※
歌詞を引用、及び記載することは禁止となりました
(Youtubeや歌詞サイトのURLだけ書くことをお勧めします)。
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