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「……今日はテストをします。全員教科書をしまって――」 (大丈夫、大丈夫、僕は大丈夫) 一人称:俺(自分の中では僕) 二人称:○○さん ひとりっこ。普通に笑うし普通に宿題も、テストも出す。普通に話すし、普通に怒るし、普通に、普通に、普通に、普通に、 *☼*―――――*☼*――――― ソープスクール ネタバレ 虐められたのは多分、自分のせいだと思う。少し勉強ができるからと天狗になっていた当時の自分は、あまり人のことを考えずに過ごしていた。 いつから虐められていたのかはよく、覚えていない。小学生の頃には始まっていたと思う。勉強して勉強して、あいつらを見返してやる、って思ってたのに、中学受験に落ちた。俺たちから逃げようとしたの？って、ますますそれでいじめがエスカレートした。 毎日腹に彫刻刀で線を刻まれた。給食に虫を入れられて、食わされた。指にホチキスをされた。真冬のベランダに閉じ込められた。着替えを盗まれた。万引きを強要された。 きっと自分が悪かったのだ。いじめを受けてもなにも出来ない自分が、それにいじめられるような言動をした自分が悪かった。だって勇気があったらすぐにでも、先生にも親にも言うことだってできた。偶然、風呂場で見られた傷で親にはバレてしまったが、そうでなければずっと続いていたかもしれない。 普通に。 普通に生きていれば、いじめなんて起こらなかったのだ。悪いのは全て普通じゃない自分で、だから普通になりたくて、周りの人の顔色を伺って、伺って伺って伺って必死に普通になろうと努力してきた。 教師になったのもそうだ。幼い頃にいじめられていました、いじめをなくせるように教師になりました、なんて言えばどの学校でもわりかし採用試験には通る。そう、普通に、普通に、普通に生きて、そうだ、僕はいじめが嫌いだから、見て見ぬふりはできないから教師になった。 そう、僕は普通に生きている。 *☼*―――――*☼*――――― 教師になったのは「自分を普通として見せたかったから」で、いじめが許せないなんて思ってない。だっていじめられるのは自分のせいなんだから。生徒のことなんて考えられない出来損ないの教師。それを隠して今日も普通に生きている。 だって、自分が悪くないんだったら。どうして僕は、こんなに酷いことをされてしまったんだろう、そんなの、訳が分からなすぎて、 *☼*―――――*☼*――――― レミングミング/かいりきベア *☼*―――――*☼*――――― 【ソープスクール】(2020-10-22) 「ひがいしゃ、だろ、……ぼくも、おまえも、……せんせえ、たち、も、……みんな、…………」 ぼくはなにも悪くなかったよ さいごにそれが分かったから良かったんだ でもやっぱり、 ぼくみたいな子がうまれるのは　いやだったなあ ロスト

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