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『駒』の一つとして教育されてきた少年。 任務を与えられれば、それに疑問も覚えず口答えもせずにこなしてきた。その中で死ぬ仲間も化物となる仲間も見てきたため、それが普通のオーヴァードの結末であると当然のごとく思っている。 そうしてひとつの立派な兵器となった彼は、いつしか皮肉も込めて『秘密兵器』と呼ばれるようになっていた。 コードネームも同様に皮肉から来ており、刀のような美しさと不気味さ、機嫌を損ねれば報復を食らう、などと言ったことから“逵斬（辻斬り）”と呼ばれるようになったと言われる。 最低限レネゲイドの取り扱い訓練は受けているのだが、能力を組み合わせることは不得手。戦闘スタイルは手数や小手先で攻めるのではなく、一撃で仕留めるスタイル。 自身の意思というものが薄く、他者に対する関心も薄い。自分たちが使い捨てられる道具に過ぎないと思っていることや、他者に同情することが弱さとなる環境で育ったことが原因であり、命令に対して疑問を持つことも口答えすることもない。口癖は「どうでもいい」。 ただし所持しているネックレスは別。大切に扱っているようで、嫌に手入れがなされている。しかし何故大切にしているのかと聞かれようとも、誰にもそれを話したことはない。 戦闘スタイルは手数や小手先で攻めるというのではなく、一撃で仕留めるスタイル。 野生的勘が鋭く、その本能のままに生きていることが多い。あえて言うのであれば文明人らしさに欠けており、大雑把。モルフェウスシンドローム特有の『創造』の能力も、『声を聴く』能力も著しく欠如している。 また過酷な能力訓練の影響か、色の認識ができない。彼の目に映る世界は常に白黒であり、色を持たない。いつそうなったかは彼自身興味がないため時期は不明であるが、一般的なものの色を認知しているため見えていた時期はある様子。また、耳もあまりよくないのか名前を呼ばれても反応しないことがある。 しかし約1年前に紫藤支部に赴任してからは、今まで施設や他支部で学んだ考えが覆されることの方が多かった。非オーヴァードと同じような生活を指示され、何の意味があり何の役に立つのかと疑問を抱きつつも、学校へ通うようになる。 成績は決して良くはないが、それは勉学に意味を見出せないからで、地頭は悪くはない。

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