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原田 笑子(はらだ えみこ)
ID:3315187
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原田 笑子(はらだ えみこ)
タグ:
亜月式二母
二万円家
振斗
生き抜けアタシのかわいいガキ達!
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生まれ・能力値
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その他増加分
一時的増減
現在値
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CON
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APP
SIZ
INT
EDU
HP
MP
初期
SAN
アイ
デア
幸運
知識
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SAN
現在SAN値
/
(不定領域:
)
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非表示
簡易表示
通常表示
技能
職業P
/
(うち追加分:
)
興味P
/
(うち追加分:
)
表示
初期値の技能を隠す
複数回成長モード
非表示
簡易表示
通常表示
<戦闘技能>
成長
戦闘技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
回避
キック
組み付き
こぶし(パンチ)
頭突き
投擲
マーシャルアーツ
拳銃
サブマシンガン
ショットガン
マシンガン
ライフル
非表示
簡易表示
通常表示
<探索技能>
成長
探索技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
応急手当
鍵開け
隠す
隠れる
聞き耳
忍び歩き
写真術
精神分析
追跡
登攀
図書館
目星
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簡易表示
通常表示
<行動技能>
成長
行動技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
運転(
)
機械修理
重機械操作
乗馬
水泳
製作(
)
操縦(
)
跳躍
電気修理
ナビゲート
変装
非表示
簡易表示
通常表示
<交渉技能>
成長
交渉技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
言いくるめ
信用
説得
値切り
母国語(
)
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簡易表示
通常表示
<知識技能>
成長
知識技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
医学
オカルト
化学
クトゥルフ神話
芸術(
)
経理
考古学
コンピューター
心理学
人類学
生物学
地質学
電子工学
天文学
博物学
物理学
法律
薬学
歴史
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戦闘・武器・防具
ダメージボーナス:
名前
成功率
ダメージ
射程
攻撃回数
装弾数
耐久力
その他
%
%
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簡易表示
通常表示
所持品・所持金
名称
単価
個
価格
効果・備考など
価格総計
現在の所持金:
、 預金・借金:
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簡易表示
通常表示
パーソナルデータ
キャラクター名
タグ
職業
年齢
性別
身長
体重
出身
髪の色
瞳の色
肌の色
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その他メモ
特徴:君は風邪をひかない、プロ・ドライバー(二万円美々図から引き継ぎ) 職業:放浪者 職業ポイント:EDU×10+STRかDEXかAPP×10 職業特記:子どもに対する言いくるめと心理学に10%のボーナス 年収:350万円 財産:1750万円 原田 笑子(はらだ えみこ) 45歳 女性 ギザ歯が特徴的な女性。二万円家の母親の1人であり、二万円 愛羅使と二万円 美々図の実母。その在り方を一言で表すならば、ずばりヤンママである。 笑子は若い頃からとても自由に生きてきた。ちっせえ頃はイタズラばっかするめちゃくそ問題児だったし、皆が性的なことに興味津々になる思春期には、未成年ながら実際に性行為を試したりした。それもかなり盛んに。校則を破って黒の地毛を金色に染めたり、ピアスを開けたりもしていたので、完全にヤンキー。 そんな感じで完全にヤンキーだったので、当然高校はそんな感じの生徒が集まる底辺校に進学した。でも別に楽しかったからオッケー。高校でも変わらず不純異性交遊やらその他諸々の問題行動をしまくったし、てかなんなら先公ともセックスしたった。チョロかった。ウケるわ。 そんな風に奔放に生きていた笑子は、ある日とある男性に出会う。それはいつも通り夜の街に繰り出していた時のことだった。その男性の何が凄いって、マジで超イケメン。やばい。めっちゃビビった。何あの顔面。イケメンすぎて初めて見た時マジでウケた。しかも背でけえし筋肉やばい。こういうのなんて言うんだっけ?きんこつ?りゅーりゅー?マジ龍かよウケるわ。 行動力の塊だった笑子は、何の躊躇もなくその男性に声をかけた。彼は詩聖と名乗った。なんか名前もかっこよ。こうなんか、神聖って感じ。神かよ。ウケる。 めちゃくちゃイケメンで背も高くて筋肉もあって、しかも話してみればすげえ優しい感じ。声も良い。男の頂点かよ。この時点で詩聖に対して好感しか持てなかった笑子は、話しかけたノリのまま逆ナンをぶちかました。なお、この時笑子は高校3年生の18歳である。未成年が逆ナンなんてするんじゃありません!!!!!! ちなみに後に判明するが、6歳年上だった詩聖はこの時24歳である。そんな年上に逆ナンなんてするんじゃありません!!!!!!! しかしそこはご安心、詩聖は24歳の大人であり、そしてめっちゃ良い男である。その時笑子は学校が終わってからそのまま夜遊びをしていた。つまり、制服姿である。詩聖は、見るからに女子高生な未成年に手を出すようなふざけた真似をする奴じゃなかった。君はまだ学生だろう、とか、卒業しても気持ちが同じならまた誘ってくれ、とか、その時は大人として対等に相手してやる、とか、そんな様なことを言って、詩聖は笑子に大人な対応をしてのけたのだ。 笑子、これにはめっちゃビックリ。何でかって?笑子は彼女自身の顔の良さと、押しの強さと、育ってきた環境と、周りの人間関係故に、こういう誘いを断られた経験がマジで無かったからだ。しかもこんなにイケメンに断られた!?!?その思いがより強く笑子に衝撃を与えた。ウルトラビックリ。それ貴女が今まで生きてきた境遇がヤバかっただけですよ。 しかし、笑子は聞き逃さない。卒業さえしたら、この詩聖とかいうクソイケメンは相手をしてくれるらしい。えっ、じゃあ卒業するわ!アタシの顔と名前覚えとけよ!原田笑子っていうから!忘れんなよ!待ってろよ!!絶対覚えてろよ!!! 詩聖は笑って頷いた。そして、笑子自身こそ忘れないようまた笑って釘を刺した。 いやお前みたいなイケメン忘れる訳ねえし~~~~~、覚えてろマジで、ここで乗らなかったの後悔させてやるわ。 忘れてた!!!!!!!!!! 原田笑子、アホだった。確かに、詩聖と別れてからしばらくの間は、普段の笑子からしたらかなり長い間覚えていた。友達にも詩聖とかいうクソイケメンの存在を言い触らしたりして、ぜってえ卒業してまた会って今度こそ乗らせてやる~~と息巻いていた。 しかし、基本的に頭が弱いこの原田笑子は、時が経つにつれ普通に詩聖のことが頭からすっぽ抜け、すっぽ抜けたまま卒業式を迎えて、それからかなりの間遊び呆けていた。夜遊び楽し~~~。嘘やん。 そんな風に遊んで暮らしていたある日、ふと高校からのダチから連絡が入った。なんだなんだー?いきなりメールなんか送ってきて、何かあったのな。 「そういえば、前言ってたクソイケメンって結局どうなった?(要約)」 忘れてた!!!!!!!!!!(最初のコマに戻る) そんな訳で笑子は詩聖とかいうクソイケメンの存在を思い出した。ヤッベー忘れてた、笑われるぞこれおい。しかし、笑われるかどうかよりももっと重大な問題があった。 アタシ、どうやってアイツに会うの?連絡先知らねえし、無理じゃね? とりあえず、思い出したその日に、ダメ元であの夜の街に向かった。難しい方法を考えられないので、当たって砕けろんでまた当たれ、精神である。確かこんくらいだったかなーって時間に、確かここだったよなーって場所を、長いんだか短いんだかよく分からん間うろちょろキョロキョロしてあのクソイケメンを捜してみた。 まあ、いる訳ないよな~~~。そりゃそうだよな、ガックシだわ。っていうか、アイツああやってそれっぽいこと言ってアタシを追い払っただけじゃね?だって本気でまた会うつもりあるなら連絡先くらい聞くもんじゃねえの?まあ、すっかり聞くのを忘れて押し切らなかったアタシも悪いけどさ。あ~~あ、次こそイケメンゲットしてやるって思ったのになーーー、もしどこかで会ったら次は逃がさねえ覚悟してろマジで。 そんなことを考えて、むしゃくしゃするから今日はそこら辺の適当な男でも引っ掛けようかな、とか思った時。 背後から、声をかけられた。 この声、忘れるはずない。いや忘れてたんだけど。笑子は驚いて振り返った。そんでその驚きの更に5倍くらいの大きさでまた驚いた。 あの日のクソイケメン……詩聖がそこに立っている!!! めっちゃビックリした。お化け見たみたいな声が出た。え、マジでお化け???これ幽霊じゃね???? 違うって言われた。うわぁ幽霊が返事してきた!!!!!違うっつってんだろ。 何でここにいるんだよ!そう聞かれた詩聖は、笑ってただの偶然だって答えた。偶然???マジで???アタシも今日たまたまお前のこと思い出したんだよ!!!これ運命じゃね???? ここで乗らなかったの後悔させてやる、とか言ってたのを、完っ全に忘れている。めっちゃノリノリ。 なあなあ、アタシちゃんと学校卒業したぜ!お前約束忘れてねえよな?まあアタシは忘れてたけど!いやでも、内容はちゃんと覚えてっから!男に二言はない〜とか言うじゃん。アタシが卒業したなら、大人として、たいとーに相手するんだろ? あの日みたいに、笑子は6歳年上の男に超強気に逆ナンした。あの日と違ったのは、詩聖が笑子の誘いを断らなかったことだ。 は?セックスも上手いんだけどコイツ。爆笑。え、他の男とか比べ物にならなくない?すごすぎ、こんなことある?やっば、逆に笑い止まんねえわ。 ようやく詩聖と一夜を共にできた笑子は、そんな感じで心底大満足した。大満足したけど、別にこれで終わるつもりは無い。大体1年越しに捕まえためっちゃ良い男、たった1日で逃すなんて嫌に決まってる。っていうか、もう逃さねえわ。だってそう決めてたし、あとイケメンだし、背高えし、セックス上手かったし。そんなこんなで彼女は今度こそ詩聖と連絡先を交換した。いぇーいイケメンゲットだぜ、やったったわ。 最近体調が悪い。しかもなんかアレだ、たまによく聞く症状のやつだ。とりあえず試してみよ。 そんなノリで人生で何度目かに使ってみた妊娠検査薬は、まあ~~~~~見事な縦線。うーんこれは妊娠!w 妊娠やんけ!!!!!!!!! 一夜を共にしただけで妊娠するとは思ってなかったので、これには流石の笑子もビックリ。あの男にはビックリさせられてばっかで、なんかちょっとムカつく気もしてきた。とはいえそれはまあ置いといて、急いで詩聖に連絡した。ちゃんと連絡先交換しといて良かった~~~アタシ天才じゃん。せんけんのめーってやつ。 そして電話に出た詩聖から聞かされたのは、なんか詩聖はめっちゃいっぱい奥さんいて子供もたくさんいるらしい。へー、やば。どゆこと?よく分からん。よく分からんけど、大家族、良くね?なんか楽しそうって思った。そう、楽しそう!!!アタシも子ども欲しいわ!!!!ねえ産んでいい?!その家入っていい?!?!いいよね決定!!!!!アタシ子育てする!!!!!ママになってみたかったんだよね!!!!!! 勢いだけ過ぎる。 あまりにも勢いしか無いので、詩聖にご両親への挨拶とか相談とかについて聞かれた。あ、考えてなかったわ。でも別にオッケーすると思うよ?アタシの親めっちゃ緩いし。いや嘘でしょ? そう言われた詩聖が笑子の実家に赴き、笑子と共に事情の説明をした所、「まさかこんな良い男に拾ってもらえるなんてねぇ…」とか「これからは遊ぶのもいいけどちゃんと子育てもするんだぞ」とか言われて、最後には「こんな適当な娘ですけどどうぞよろしくお願いしますね」って頭下げられた。嘘でしょ?????? 笑子は、ほらやっぱりって顔をしてた。えぇ…………………。 そんな感じで笑子は二万円家の妻の1人になった。とりあえずダチにめっちゃ自慢した。いえーい見て見て、これアタシの旦那だから。クソイケメン。あとセックス上手い。皆羨ましいって言ってた、へへーん。 ちゃんと結婚して嫁入りはしたけど、苗字は元の原田のまま名乗ることにした。え、だってさ、二万円笑子と原田笑子って、原田笑子の方がかわいくね?まあ子どもは普通に二万円なんちゃら〜でいいんだけど。どう足掻いてもノリだけである。 時を飛ばして、笑子が20歳のその日。無事元気な男の子が産まれた。いや無事じゃないけど???痛すぎない???何これ死ぬかと思った、え、死んでる?アタシ死んでないよね?生きてる?良かった生きてる、アタシもアタシの子どもも、ちゃんと生きてる。やば。普通に感動するわこれ、泣きそう。めっちゃかわいいんだけど子ども。 何でずっと子どもって呼んでるかといったら、なんかもう今まで全然名前が決まらなかった。意外と迷うんだわ。だからもう、産んで顔見て決めようって思った。思ってたけど、ダメ、かわいさが勝って全然考えられない。詩聖がイケメンなのは当然だし、アタシもよく顔は褒められたし、当然っちゃ当然なんだけどさ。そういう顔自体の作り?とかを抜きにしても、自分の子どもかわいすぎるわ。えーー名前決まんないーどーしよーーー。 その時、雷が走った。例えとかじゃなくて、普通に天気の話。季節が季節だからか、この年は特にとんでもなく天気が悪かった。雷雨に次ぐ雷雨。まさに嵐って感じの、最悪な天気。そう、最悪な天気って、子どもを産むまでは思ってた、せっかくなら晴れろよ~~!!!!って。でもこうして子どもが産まれた今なら、なんか天気が悪いのすら良いなって思えてきた。どうしようアタシ絶対親バカになる。でもこんなにかわいい子どもを前にして、ならない方が無理な気がする。そうだ、子どももアラシって名前にしよう。嵐ってさ、強いし、でかいし、かっこいいし、そんな奴になってくれる気がする。それに、天気が悪いのも含めて、今日のこと忘れたくないし、うん、そうしよ。詩聖も良いと思うでしょ? うん、そう言ってくれるってわかってた。へへ。 漢字は、愛羅使にした。理由?だってかっこよくね?羅って画数多いから強そうだし。良いこと言った後にこれ。 愛羅使は自分とは違って真面目な子どもだった。マジで????まあ、そういうこともあるのか〜、そりゃそうだよな、そりゃそっか。 他のお母さんの子ども達といても、あんまり笑わないし楽しくなさそうだから、ちょっと心配だったけど、とりあえず自分にできることは何でもした。いっぱい話しかけたし、隣に座ったし、頼まれたら自分は全然読まなかった本とかも読んだし、頭撫でて、遊んで、公園とか行って、あとアタシの実家、愛羅使からしたらおじいちゃんおばあちゃんの所に連れて行ったり。アタシとは全然違う性格でむずかしいけど、そこもかわいいな~~~って思った。かわいいからいっぱい構っちゃうよな。もしかしたらウザがられてるかもしれないけど、愛羅使がかわいいのが悪いんだぞ~~~うりうり~~~~。なんか、顔に出したり喋ったりってのが下手なだけで、愛羅使も多分色々思ってるんだろうな、そんな気がする。考えてそーな顔してるもん。アタシバカだから全然分かんない時は分かんないけどさ、そういう、愛羅使が思ってることと、ちゃんと向き合っていきたいな。アタシの子どもとして生まれてきてくれたんだもんな。だから、なんか悩みとかあったら、遠慮せず言えよ~~〜。 そんな感じで自分なりに愛羅使と向き合って、あと普通に子ども好きなので他のお母さんの子どもの面倒も見て、って感じでしばらく過ごした。しばらく過ごして、ふと思った。 子どももう1人欲しい!!!!んで、次は女の子がいい!!!!! 原田笑子、母親になっても勢いだけだった。 割愛。無事2人目を授かった。いぇい。詩聖に次は女の子がいいなーって言ったから、多分女の子だと思う。何だそれ。病院で調べたら、本当に女の子だった。何だそれ………。 まだ性別が分かってない時から、絶対女の子でしょって思ってたから、愛羅使に妹ができるよって教えた。そしたら、声は出さなかったけどめっちゃビックリって顔してた。そんで「…ほんと?」って聞かれた。ほんとほんと、愛羅使な、もうすぐお兄ちゃんになるんだー。もうね、妹がアタシのお腹の中にいるんだよ。生まれてきて、アタシや愛羅使に会うのを待ってんの。だからこれからは、お兄ちゃんとしてもよろしくな。愛羅使はアタシと違って真面目でしっかりしてるからさ、絶対良いお兄ちゃんになるよ、お母さんが約束してやるからな。ああでもお兄ちゃんだからって無理すんなよ!愛羅使も、今アタシのお腹の中にいる妹も、2人ともアタシの大切な子どもなんだから。わかったかー? 愛羅使はちょっとの間だけ考えた顔をして、そして力強く頷いてくれた。それを見たらなんか胸がいっぱいになって、もうめちゃくちゃに頭をわしゃわしゃ撫でてやった。 次は、この子が産まれる前にちゃんと名前を決めておきたいって思った。お腹の中にいる時から呼んであげた方がいいだろうし、まあ愛羅使の時はそれができなかったんだけど、その時の反省も活かして、的な。 その日は空いてたらしい詩聖を「この子の名前決めるから付き合って!」と呼びとめて、膨らんだお腹を抱えながら近所を散歩した。 こうして散歩すると今まで気付かなかったことに気付けるんだなー。こんなきれーな景色が見れる場所がこんな近所にあるなんて知らなかった。めっちゃ優良物件じゃん、流石詩聖。ほら、例えばさ、アタシ歩く時前しか見ないから、歩く時ってかずっとそうなんだけど、だから地面とか全然見ないの。地面見て歩くよりも前見て歩いた方がいいんだけど、でもこうして地面見てみると、なんか面白いわ。かわいい花咲いてたり、嘘でしょ?ってとこに雑草生えてたり、面白い形の石もあるし。あ、木の枝ある。ちっちゃい頃よく良い感じの木の枝拾ってチャンバラごっこしてたなー!男子とかに混じってさぁ!愛羅使はあんまりそういうのしないんだよなー、カエルの子はカエル?とか言うのにな。お腹の中の子は、アタシそっくりだったりするのかなぁ? あっ、ミミズだ。もうそんな時期かぁ〜、なんか女の子ってミミズとか苦手な人多くね?アタシ昔から虫平気だから分かんねえや。愛羅使も虫はわりかし平気らしいし、そこは似てるんだよなー。ミミズって、かわいいと思うんだけどな名前とか。なんかちっちぇーし、ウネウネ動くの、かわいい気がする。あっ、ミミズって名前良くない?!?!かわいい、うん、かわいい!!!!よっしゃそうしよ、お前は今日からミミズだ!!!!決定!!!!漢字どうしよっかなーー!!!! え?何?心配してんの?違う?じゃあいいけど。いや言っとくけど何も意味ない訳じゃねえからな?よく知らないけどさ、ミミズって、なんか、良いやつなんでしょ?なんだっけ、土食べてくれるんだっけ?それがなんで良いのかは分かんねえけど、こんなちっちゃいのに働き者なんだぜ。いや別に、アタシ子どもにちゃんと働いてほしいとか思ってねえし、てかアタシがそういうタイプじゃないから、働き者かどうかはどうでもいいんだけど。でもこんな名前の奴が悪い奴になる訳なくない?だからミミズにしよーぜ、するわ、な〜ミミズ~。 帰った後、漢字は美々図にした。々と図、なんか可愛くね?どう足掻いてもこれ。 生まれてきた美々図は、自分にめっちゃくちゃ似てた。イタズラ大好きな、超ワルガキ! 愛羅使みたいに自分と全然似てなくてもかわいいけど、そっくりでもやっぱりかわいいなー!!!って思った。まあ、その愛羅使本人は美々図のイタズラにちょっと困ってたみたいだけど。美々図のイタズラを全部禁止するのはなーんか嫌だし、でも愛羅使だけ困ってるのもかわいそうだし、子育てってむずかしいな〜。他のお母さんとかに相談しながら、頑張ってかないとな!まあ、むずかしいけど、めちゃくちゃ楽しいし、幸せだわ!!! そんな感じで、頑張って楽しく子育てをした。美々図はそのままずーっとワルガキのまま育っていって、でもアタシと違うのは、なんかエロいことは苦手らしい。やっぱり違うとこは違うんだなー。美々図は反応がかわいいから、嫌がっててもついつい頭にリボンとか着けちゃう。流石アタシと詩聖の子ども、超似合ってるマジかわいい! 愛羅使は、なんか一時期ちょっとスレてる感じになった時も、まああった。真面目だし、真面目なのは良いことだし、アタシには絶対無理だからすげえなって思うけど、もうちょっと笑ってくれた方が親としても安心できるんだけどなー。まあ、無理はさせたくないけど。あっでもおじいちゃんおばあちゃん家行こうって誘ったのに「…家で勉強したいから美々図と行ってきて」は流石に寂しい!アタシも寂しいけどお前のじいちゃんとばあちゃんはもっと寂しがるから、それは強制連行、無理やり連れて行った。どうせ向こうでも勉強ならできるし、むしろ1日くらい息抜きとかしとけ!これには流石の愛羅使も逆らえなかった。 そんな風にしてたら、愛羅使が高校生の時、なんか真面目な顔で相談したいことがあると言われた。なんだなんだ彼女でもできたのかなって思ったら、進路変更がどうとかそんな話だった。デザイナーになりたいの?へー、すげえじゃん!頑張りな!そう言ったら、愛羅使はなんでかビックリした顔してて、どした?って聞いたら「…本当にいいの、こんな急なのに。しかもデザイナーなんて、安定するか分からない様な職…。」と言った。なんでそんなこと言うの?愛羅使がなりたいんでしょ、だったらアタシは応援するだけじゃん。うーん、思い出してみたけど、流石にデザイナーの知り合いはいねえな〜、なんか教えてやれたら良かったんだけど。なに、どした?まだなんか不安?そう聞いたら、今度は「…母さん、本当にちゃんと考えてる?」だって。アハハッ!言うようになったなぁ〜お前も! 考えてる、考えてるかぁー。まあ、確かにアタシ考えるのとか苦手だけど、愛羅使がやりたいことをやらせてあげたいとか、これからも幸せに生きてほしいとか、そういうことは、ちゃんと考えてるよ、母さんは。別にさ、失敗したりしてもいいんじゃない?全然向いてなかったり、お金稼げなかったりとかしても、まあこの家って金あるからどうにでもなるし、っていうか、別に金関係ないわ。もしうちが貧乏でも、アタシ絶対同じこと言うもん。だからまあ、気にすんなよ。心配なことがあるなら、アタシも手伝うしさ。あっ、てかさ、愛羅使。ちゃんとアタシに相談したの、めっちゃえらい。覚えてる?アタシが昔っから、なんかあったら言えよ〜って言ってきたの。昔からさ〜、愛羅使あんまり喋んねえし、そういう人は1人で抱え込んじゃうとかよく聞くし、あとお兄ちゃんだから無理しちゃうって話もよく聞いたし、だからアタシ、ずっっっと言ってたんだよね、何かあったら言いなって。相談したの、マジで超えらい、流石アタシの子ども! 昔みたいに頭をわしゃわしゃ撫でてやったら、なんか反応に困ってそうな顔された。そんな顔しても可愛いだけだぞ〜。 そんなこんなで、愛羅使はデザイナーの道を進んだ。美々図はどうなるのかな〜ってワクワクしてたら、「学校の勉強嫌いだから高校行きたくネー!」って言われた。おっ、じゃあそうするか?美々図がそうしたいならアタシもそれでいいと思うし。え?バイク乗りたいの?あーアタシ乗ってるもんな。うーーん、バイクの免許はちゃんと取りな。そこはちゃんとしよ。別に高校は行かなくてもいいけど、免許は取ろ、アタシでも取ったから。美々図は分かったって言ってくれたから、めっちゃ頭撫でた。アタシ頭撫でるの好きだわ。 ていうか、そっか。美々図高校行かないんだ、自立じゃん。愛羅使ももう成人してるし、この家には他にも大人の人いるし、これ、久しぶりに羽を伸ばす?的なのしていいんじゃね? 常に傍若無人な癖に羽を伸ばすもクソも無いが、笑子はそう考えた。 よっしゃ!決まり!!!これからは久しぶりにめっちゃ遊んでやろ!!!愛羅使!!!美々図のことはよろしくな!!!美々図も困ったことはちゃんと愛羅使に言えよ!!!! そんなとんでもねえノリで、美々図が中学を卒業してからの笑子はめっちゃ遊ぶようになった。昔みたいに夜の街を歩いて、良い感じの男引っ掛けて遊んだりした。アタシ若く見えるから、結構いけるんだよな!そうですか。 まあ、詩聖以外と子ども作る気ねえから、避妊はちゃんとするけど!それはえらい。 という風な感じで、笑子は今日もそれはそれは自由に遊んでる。とは言っても、全く家に帰らない訳では無くて、ちゃんとそこそこの頻度で帰ってきてはいる。そんで小学生くらいの子ども達と遊んで、元の体力の少なさと歳のせいとですぐバテたりしてる。バテても楽しそうである。 なお、実子2人の愛羅使と美々図は、笑子が帰ってくると連絡が入った時に限り、一蓮托生してめっちゃくちゃに逃げ隠れる。と言っても、笑子は大体帰る直前にしか連絡しないから家の外には逃げられないし、なんならどこに隠れていようが笑子は絶対に2人を見つけ出す。百発百中。母は強い。そういう日は、珍しくたじたじな愛羅使や、頭にリボンを着けられた美々図が見れたりする。なお、捕まってしまった実子2人は大抵笑子が理解できない語彙で実の母親に対して不満を訴えたりしている。おいそれ多分悪口だろ!と言う笑子の顔は、やっぱりこの上なく楽しそうである。 ちなみに、今でも愛羅使と美々図を引き連れて自分の実家に顔を出したり、3人で家族旅行に行ったりもしているらしい。 「母親をどう思うか?……母親って、アレか?俺の所のか?原田笑子とかいう奴か?…なるほどな。全然されたくなかったなその質問。…まあ、原田笑子、原田笑子だなぁって思うが。…何だその顔。不満か、俺の答えが不満なのか。…もっと真面目なのを寄越せぇ?俺はいつも真面目だろう。…だから何だその顔。不満Season2か。 なあ。これもしかして、俺が真面目に答えたかの様な素振りを見せたと判断されるまで続くのか?へぇ、なるほどな、解放運動。……………………まあ、……まあ、そうだな…………クソガキ2人を実子に抱えてるにしては、随分楽しそうだったし、その上ちゃんと育て切ったんだから……まあ、凄いんじゃないのか、それは。育て切ったと言っても、俺はともかく美々図はまだ未成年だけどな。…感謝?……感謝は、まあ、…するなという方が無理な話じゃないのか、こればっかりは。…俺が捻くれ者の割にそこそこ真っ当に生きてるのも、美々図が大して大人嫌いにならずにああして生きてられるのも、…母さんが、あの人なりに育ててくれたお陰な訳で……、っうわ?!な、母さん?!何でここに、今日は何の連絡も…っておい!!!お前!!!図ったな!!!おい待て逃げるな!クッソ、何で俺は実の母親に力で負けるんだ…、おいだから待て!!!おい!!!!助けろ!!!!俺を!!!!!なあ!!!!!おい!!!!!!」 「んあ?オフクロ?オフクロが何だよ、どうかしたのカ?…どう思ってるかァ〜?そんなの、そうだナア聞いてくれよ!!!あのオフクロ、オレがイヤだって言ってんのに、いーーーっつも頭にリボンなんか着けてきやがんの!!!!別にちーーっとも嬉しくなんてないってのに、しかもオレが外そうとしたらまぁた着けてくるんダゼ?!?!だからサ〜、オレが中学生の頃とか、着けたくねえのに頭にあんな飾り着けるハメになっちまったんだヨ!そりゃーさ、ちっせえ頃は何とも思ってなかったけどヨー、今のオレはカワイイんじゃなくてカッコイイんだし!!!……良い所?オフクロの良い所〜?オフクロの身長めっちゃムカつく。……ハ?オレ160cmあるし!!!…あ、バイク!!!バイク乗ってるオフクロはカッコイイ!!!なあ知ってるカ?大型二輪って免許取るの難しいんダゼ!!!そう、昔オフクロがさ、大型二輪は身長的にミミズには厳しいかもなーとか言ってきてヨ…だからオレは160cmあるって…!あれ、何の話だったっけ?あ、バイクの話!!!そう、オレは普通のバイクだけど、カーチャンは身長高くて力も結構あるから大型二輪なんだってよ!!!!カッケエよな!!!!アタシももっと力着けて身長が伸びたら、カーチャンみたいに、大型二輪も運転できるのかなぁ〜………ア?何?後ろ?後ろが何だよ…ッハァ?!カーチャン?!な、おま、何でいるんだよ連絡無かったじゃんか!!!!な、もしかして、今の話聞いて……う、う、う〜………うぎゃーーーーーっ!!!!!!」
※
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