タグ： くろさわ家既知

「もうつかれた、この世にもなんの未練もない｣ 「だれにもかかわりたくない｣ 「美波ちゃん、晩御飯なにがいい？」 「今日も穏やかでいい日だったねえ」 物心ついたときには父と2人暮しであった。母については恐らく離婚したのだろうということぐらいである。父にその事を聞くことは無かったし、調べても何もわからなかった。1度だけ真剣に聞いたこともあるが、有耶無耶にされている。 3つの時に父が再婚することとなる。自分はそんないい人がいる事すら知らなかった。連れ子のいる女性で1つ年上の姉ができる。忙しい父に変わり2人はよく栞の面倒を見てくれる良い家族であった。どこか自分に甘いところがあると思っていたが、これが家族なのだろうと、自分はこの家族を愛していた。美しく優しい新しい家族であった。 良い家族であると思っていた。小学5年の頃である。姉に告白をされる。｢出会ったその瞬間から好きなの｣その瞬間から好きということは、自分の人となりが好きな訳では無い。恐らくは見目であろう。自分の顔立ちが整っている自覚はあった。 もちろんそんな目で姉のことを見たことは無かった栞は困惑することになり、家族内にはどこかぎこちない空気が流れることになる。なんと返事をするべきなのか、そもそも返事を言うべきなのか、それすら分からない。 数ヶ月経ったところでまたも事件が起きる。父は仕事、姉は習い事、義理の母親と家にいる時である。母に手を引かれ、普段両親が寝ているその寝室で、何が何だか分からないうちに性行為に及ばれる。｢やっぱり親子なのね、男の趣味が似るのかしら｣｢私の方が先に好きだったのに。貴方の父親にじゃない、私は貴方のことが好きで｣いたい、あつい、きもちわるい、母が何を言っているのかがさっぱり理解できない。小学生高学年ともなるのそのような知識がない訳では無い。しかし、今こうしているこれが、明らかに異常事態であることはわかっていた。ただただ呆然と、それが終わるのを待っていた。 単発的に、発作的に行ったことらしく、直ぐに父と姉にも露呈する。父は母ではなく自分をせめた。｢お前が誑かしたんだろう！｣｢絶縁する！｣まだ幼い彼は目まぐるしく変わる日常についていけず、暫くは部屋に閉じこもることになる。部屋の前から甘ったるい声をかけてくる母にも姉にも湧き上がるのは『 きもちわるい』という感情のみだ。学校にも行けず、食事もろくに取れずの生活を3年続けることとなる。 その後も彼の人生は散々だ。中学の時は担任の先生に説得され信じてみようと登校すればその先生に欲のある目で見られる。新人の、熱心な男性教師であった。すぐにまた家に篭もることになる。高校の時は初めて友人と呼べる人ができた。恋愛相談なんてものも初めてされた。その友人の好きな人に自分が告白されることになりすぐにその関係には亀裂が入ったが。 大学に進学することはもちろん出来ず、家で過ごす日々が続いていた。父とも母とも会話することなどもう何年もなく、姉のみは声をかけてくるが全て無視していた。早く自分で稼ぐようになりこの家から出なければならない。でももう自分の人生で外に出ていることの方が少ない。人と話すことも少なすぎて、言葉が出てこないことが多い。どうしていいかわからなかった。もう生きていても他人を不幸にするだけだ。死ぬしかないと思った、死のうと思った。その行為に及んだことはある。手首が熱いという感情しかわかなかった。しかし、自分の行動にかなり目をやっている姉のせいでいつも失敗した。もう疲れた、死にたい、楽にさせて欲しい。 そんな折に始めたのがピアノであった。もともとこうなる前、幼稚園の頃からピアノを嗜んでいた。母にあんなことをされる前までは。部屋にあったそれで動画を投稿すれば大成功する。しかしコメント欄にあふれるのは自分の顔に対してのことのみだ。自分のピアノの腕はプロには及ばない、自分が一番わかっていた。ここでもまた自分の見目に正当な評価を邪魔されたのだ。世界に目を向ければ自分のような容姿のものもいるだろう、なのに。しかしそれならばと顔を隠して別のアカウントで投稿をそればそちらは世間に見向きもされなかった。これが現実であり、自分は自分の大嫌いな見目を使わなければこの地獄から抜け出すこともできないのだ。ピアノだけは、純粋に愛していた。愛しているのに。どうしたらいい。前に投降した動画のコメント欄には「この人知ってる。自分のお母さんとヤっちゃったんでしょ？」「高校教師とできてたんだろ？」と心ないコメントも見られる。もうたくさんだ自分の人生は。どうにもならない。どこにも転ばない。大嫌いな人の元で養ってもらわなければ生きていくこともできず、自分で稼ぎをあげることもできず、唯一のピアノも自分で汚した。もう生きている理由がないのだ。 性格は引っ込み思案でネガティブ。自頭がよく察しはいいのに動くことができない。自分のことが嫌い。人のことはこわい。吃音での会話が多い。はやく死にたい。 好きなものはピアノ、独り、水。 嫌いなものは外、人。 https://charasheet.vampire-blood.net/m31dd9eaa763cdb6f61b0b76b02af5db0 特徴表付随探索者(使用はKPに一任) (2-4)愛書家/あらゆるジャンルの蔵書を持っている。<図書館>に+20％。さらに図書館に出かけなくても、自宅の書庫で<図書館>ロールが可能となる。 (6-9)行方不明の家族/探索者には行方不明の家族がおり、キャンペーンの間に現れるかもしれない。(例えば、海で遭難した、異国で死んだと思われている、ほかの親類に連れ去られた、など)。 20200820 海も枯れるまで 向坂 美波 ねえ、いつまでも、どこまでも、一緒にいようね 20201209 オパールを分割したならば 向坂 美波 ……ごめんね、だいすき 20220609 宝石を食む これからもずっと一緒だよ 20241010 ネイルを塗らないと出られない部屋 栞　ピアノで配信　お金を稼いでいる みなみちゃん通信の高校に行ってる

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