タグ： 海も枯れるまで

一人暮らしで、普段はバイトをしながらたまに海に出かけている。 マイペースでのんびりとした性格の男性。一人称は「俺」、二人称は「キミ」 背泳ぎを得意とする水泳選手。小さい頃から水が大好きで、自分を包み込んでくれる感覚が気持ちいいという理由から水泳を習い始める。 水泳選手としては人よりは少し泳げるといった程度のレベルだったが、見た目が良いせいか泳ぐ姿も美しい等と色々言われる事が多かった。 その姿を気に食わないと思った同年代の同性選手たちに目をつけられた結果、大会前に足を怪我するという人的事故が起きる。 以来、泳ごうとすると体が強ばって動かなくなり、それ以来水泳選手としては活躍していない。 が、本人としては水泳選手としての道はどうでも良くて、ただ大好きな水の中で自由に泳ぐことだけが楽しみだった。そしてそれが出来なくなったために急に生きるための理由を失い、そのまま何も出来なくなってしまった。 パッと見何でもなさそうに見えて、彼の中では苦痛に悶えて生きている。そんな状態。 事故の衝撃より上の衝撃を受ければ泳げるようになるかもしれない。今のどうしようもない苦痛に襲われている状態が変わるかもしれない。そう考えて自殺行為に走ることもあった。が全て未遂で終わっている。 また、夜の海に出かけて、海の上に体を浮かばせることで心の安寧を保とうとしている。泳ごうとすると体が動かなくなるため、足がつくほどの深さのところで浮かぶだけ。 いつも通り浮かんで、暗い海の中で揺蕩っている時に、『大好きな水の中で死ぬ事が出来たら幸せなんじゃないか？』と考え、そのまま入水自殺を試みる。

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