タグ： 海も枯れるまで

職業：画家(ベース：6版 芸術家) 基本職業技能：目星・芸術(絵画)・心理学・歴史＋個人的な技能で信用(理由：APP18) 興味技能：応急手当・隠れる・聞き耳・図書館 天性の絵の才能を持つ美しい青年。しかし今は「何かを描きたい」という感情が一切涌いてこない為、自発的に絵を描くことはしていない。誰かに請われて具体的な指定を出してもらえば、その才能を遺憾なく発揮し素晴らしい出来の絵を描きあげるだろう。 これまでの人生で絵を描くことに大半のリソースを割いてきたので他に興味を持っているものがなく、描画の意欲すら失っている現状では「ある目的」を果たすまでの最低限の衣食住にしか意識がない。 26歳までは実家で両親と暮らしていたが、現在は都内で一人暮らしをしている(都心からは遠く離れた町のボロアパート)。身に着ける衣服は長袖のTシャツにジーンズといったシンプルなもので、食事もほとんど栄養食品で済ませている。 彼の目的は「理想的な死に方を見つけること」。 自分の意志で絵を描けないというのは、彼にとって生きる意味を失っているに等しい。ならばせめて、絵に描いたような美しい死に方で己の最期を迎えたいと考えている。 理想的な死に方を模索している最中だからこそ「自分はまだ生きている」という実感と戒めを得る為に自傷行為を繰り返していて、服で隠れている部分には切り傷が絶えない。 耳のピアスもファッションではなく自傷行為の延長で、ピアッサーではなく錆びた安全ピンで開けたので至近距離で見ると酷く化膿した跡がある。 〜〜〜〜〜〜 【バックストーリー】 「天は二物を与えず」ということわざがあるが、天は彼に二つのものを与えた。 一つは美しい容姿。白磁のような肌、艶やかな髪、端正な顔立ち、理想的なバランスの体躯、その全てが老若男女問わず人を惹きつける。 もう一つは、類希な絵の才能。あらゆる画風で絵を描くことができ、いずれも一流の仕上がりとなる。 相楽 匠は物心ついた頃から絵を描くことが好きだった。クレヨンとチラシの裏紙を手に、幼心に気に入ったものを手当たり次第に描いた絵は子供が描いたとは到底思えない完成度だった。 両親は彼が描いた絵を見て驚き、しっかりとした絵を描く為の道具を買い与えた。とにかく絵を描くことが楽しくて、彼はどんどん筆を動かしていった。 小学生の頃。美術の授業中に描いた絵が校長の目にとまり、市内の絵画コンクールに出されると最優秀賞を獲った。 先生やクラスメイト、何より両親に大層褒められた。絵を描いているだけでも十分楽しいのに、自分が描いた絵でみんなが笑顔になってくれるなんて、とても幸せだった。 中学生の頃。両親の勧めで入学してすぐに美術部へ入部した。部活動で描いた絵のほとんどが全国の展示会やコンクールに出され、どれもが最優秀賞だった。 放課後や休日にはよそ行きの服を着せられ、大人がたくさん居る場所へ連れて行かれて写真を撮られたり質問に答える日々。彼にとっては正直つまらない時間だったが、両親は笑顔で大人たちと話したり何かを受け取ってたりしていたので、二人が笑っているならいいかと思った。 高校生の頃。美術部に入り、絵を描き、コンクールで賞を獲る。中学校の時と同じ生活を3年間ずっと過ごしていた。 ルーチンワークのような生活では親しい友人も特にできなかったが、絵を描けばみんな笑ってくれる。それだけで嬉しかったから、今日は何を描こうかといつも考えていた。 大学生の頃。両親が決めた著名な美術大学へ入学したものの、授業で教えられる内容は彼の天賦の才能の前では何の意味も為さない。教員や同期生にリクエストを聞いたりしながら、相変わらず絵を描いていた。 ある日、誰かからのリクエストで大学に寄贈されていた世界的に有名な画家の絵を模写してみる。出来上がった絵は、本物の隣に並べても寸分違わない程の仕上がりだ。 その絵を見た両親は一瞬表情を無くしたあと、引きつったような笑顔を浮かべていた。 それから、両親は彼に様々な名画を模写するようにと言った。 お前の絵を必要としている人がたくさんいる。その人たちを、父さんと母さんを助けると思って描いてくれ。 そう請われた彼は、言う通りにした。望まれたなら描かなくてはならないと思ったから。 他人が既に完成させた形をなぞって、同じ絵を何枚も写す。そんな生活を繰り返して、気付けば26歳の誕生日を迎えていた。 頼まれていた絵も一通り描き終わり、報告すべき両親も会食のために出掛けている。久しぶりに、自由に絵を描いてみようかと真っ新なキャンバスを前に筆を持った。気ままに絵を描くのはかれこれ数年ぶりだろうか。 見本は必要ない。描く内容を指定する人間も今いない。自分の好きなものを思うがままに描いていい。 しかし、その手はいつまで経っても動かなかった。 何を描けばいいのか分からない。自分が描きたいものが何も思い浮かばない。 自分は「何かを描きたい」と、思えなくなっている。 そこから先の記憶は曖昧だったが、気付けば実家から遠く離れた場所で一人佇んでいた。 両親が腐るほど貯め込んでいた金ーー自分が描いた名画の模写を裏ルートで売り捌いて得たものだと、彼はとっくに気付いていたーーを持てるだけ持ち出したから、当面の生活は問題ない。 環境が変われば、しがらみが無くなれば、また何かを描きたいと思えるようになるかもしれない。 それでも尚、己の意志で絵を描くことができないのであれば。 生きている意味なんて、もはや無いのかもしれない。 〜〜〜〜〜〜 【生還シナリオ】 ・海も枯れるまで 生還報酬：APP-13、SAN回復2D10+6

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