タグ： ありすがわ みつき 杜甫kuresu

若き文章家。恐ろしいほどの美貌に奥にあるのは絶対的過ぎる自己への自信と、それに類する他者の拒絶。彼女の世界には彼女しか存在せず、また彼女にとって世界は完璧から程遠いノイズで出来た「神の失敗作」とも言える産物だ。 しかし己の作った世界のみを至高としながら人を見つめ、その奥を見透かし完璧な世界に組み込む。ときにその心を壊し、治しながらその過程にあるものを世界に搭載する。そのためには身体、心、資産を注ぎ込むことに躊躇いがない。 そのありようは矛盾に満ちており、生み出す世界は筆舌に尽くしがたい”無駄の美貌”を帯びている。代表作は「無貌の肖像画」。 【無貌の肖像画】 一生を覆す程の遺産を指し示す鍵になるという「顔のない肖像画」をめぐる人物たちの群像劇。どの登場人物も醜悪極まりないながら、それを不思議なほど透き通り、心に入り込む情感表現として描くことで「人類の設計ミスを突いた作品」とも言われている。ある評論家は「作者の驚くほどの愛への渇望が滲み出ている」と評した、真相は定かではない。 【空疎】 今までとは全く路線の違う恋愛もので、ファンも同一人物が書いたのかとびっくりしているぐらい。馬鹿正直にまっすぐな主人公と、その強い思いを受け止めかねるヒロインの様を緻密な心情描写で徹底的に痛ましく書いており、最後に悲恋で終える所も含めて今までとの毛色の違いにファンの間では「リアルで男と何かがあったのでは」等と囁かれている。しかし「無貌の肖像画」と同じ評論家いわく、「新たな道を開拓したが、彼女の根底は何ら変化してはいない」と評価しており、最近この評論家が注目されてきている。 【霧中】 「切り裂きリッパー」と噂される現代の殺人事件を追う警官の話。主人公は普段は月並みながらも、肝心なところで鋭い慧眼を発揮する一風変わった雰囲気の主人公で、困ったときは曇り眼鏡を掛けることで思考をブラッシュアップする癖を持つ。ミステリーは初挑戦だったと言うが出来栄えは上場で、犯人側の独特な魅力もファンが良く話題の種にしているとか。評論家いわく「今回は美しいではなく、輝いている。意図的に趣向をずらした形跡が有る」と論じている。 呪文一覧 ・記憶を曇らせる ・ナイハーゴの葬送歌

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