タグ： カエラズノケン HO2A

一人称は僕、二人称は君。 自分の体力が人並みであることを自覚しており、それがずっと嫌だった。そこまで器用な訳でもないため、目を見張るようなテクニックもない。ただ平凡な自分が嫌で仕方がなかった。 それでも、山を登るのが好きだった。 たまたま山の頂上で出会い、以降友でありライバルであるセロ・フィッツロイともっと一緒に登りたいと思っていたが、彼の登り方について行ける程の実力がないことも自覚していたため、暫くは己の実力に見合った山で我慢していた。 いつか、いろんな山を一緒に登る日を夢見て。 そして数年が経ち、彼から狂気山脈に登るという話を聞いた。もちろん一緒に登りたいと言ったが、危険だからまだやめておけと頑なに断られてしまう。 「ならば必ず帰ってこい。そして、また一緒に登山をしよう」という約束を交わし、それと共に彼を送り出した。 が、彼は帰ってこなかった。何故死んだのかは分からない。ただ、一生彼と共に歩むことは出来ないのだと、その事実だけを突きつけられた。 虚しさとやり場のない怒りは、次第に狂気山脈への強い想いへと変わる。 長所なんてない。ただ山登りが好きなだけの一般人だ。それでも、大事なライバルが登れなかった山を登ってやる。そして、出来ることなら彼の亡骸を、登っていたという証を少しでも見つけたい。 ---------- 以下ネタバレ 【呪文】 ・クトゥルフのわしづかみ

※歌詞を引用、及び記載することは禁止となりました(Youtubeや歌詞サイトのURLだけ書くことをお勧めします)。
↑ページ上部へ