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【＜エンプティ・ダンプティ＞の知人と名乗る人間から得た情報】 ヒーローネーム＜エンプティ・ダンプティ＞は、 『呪われた』『いわくつき』『売れ残った』『もう要らない』『金にしたい』といった、 訳ありのヒーローや非オーヴァード達の装束やアイテムを買い取っている、裏方寄りのヒーローだ。 不用品買取業者のようなものであり、意外と利用者は多い。要人や裏社会との取引もあるって噂だ。 逆に、買い取ったものを売り出すことはあんまりない。 どうしても欲しい場合は交渉を持ちかけたらどうだ？　『善い』人間だと判断されたら売ってくれるかもな。 買い取るだけでなく、依頼によっては他人の衣装を着て、影武者として出陣することもある。 ウロボロスの力により、ある程度は当人を模倣した戦闘も可能らしいが、ほとんどの場合そこまではしない。 自作の衣装・アイテムをなんとか人目に触れさせてほしい…とか、広告塔としての役割を引き受けることも多いようだな。 自分がヒーローとして世間に出る際にも固定した衣装を持たず、所持している様々な衣装を身にまとって戦う。 その着替え方といったら、まるで魔術師のように『一瞬』だった。 あいつはどうも、自分自身のイメージ作りや売名なんかには興味がないらしい。 ただし、ころころ変わる衣装からヒーローとしての軸がないと批判されることもしばしばなんだ。 既に知られている他人の衣装を纏っている場合は、人の見た目を借りた売名行為だと言われることもある。 いちおう、本人には使う許可を取っている……らしいが、どうなのかな。 さっきも言った通り、あいつのヒーローとしての正式名称は＜エンプティ・ダンプティ＞だが、ついたあだ名は『血抜き卿』。 中身がすげ変わったヒーローなどただの血を抜かれた皮だ、 ヒーローの象徴たるコスチュームを奪うとは血も涙もない野郎だ、などという皮肉が込められているんだよ。 ＜エンプティ・ダンプティ＞が登場した際、皮を剥がれるぞ！！なんて騒ぎだす者もいるとか。 ……ここだけの話、倒したヴィランの衣装なんかも、許可が出れば……出なくてもたまーに、回収してきたりする。 人ではなく物にしか興味がないなんて言われても仕方ないところはあるな。俺はたぶん、違うと思うがね。 ま、こういう感じで色々と噂に事欠かない奴なのさ。 本人の意志とは裏腹に、ある意味ネームバリューがあるってことかもな。うらやましいぜ。 ああそうだ、もう一つの特徴といえば。普通の人間としての顔、文字通り素顔もだが、そういうのは同業者にも見せることはなく、 いつもヒーローとして何かしらの衣装を身につけている。いつでもビジネス態勢って感じか？ 俺だってあいつの顔や本名は知らないさ。いつもは『ダミー』って呼んでるし、あいつもそう呼べって言ってた。 声もボイスチェンジャーか何かで加工がされていて特定がしにくいし、自分の正体を徹底して隠したがっているのは明らかだ。 分かるのは、あいつはあいつの考えで動いてるってことぐらい。 何かと黒い噂も付き纏っているが、下馬評などどうでもいい、なんて言っていたよ。 俺が教えられるのはここまでだ。何か役に立ったかな？ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 【ダミーメモ】 ＜エンプティ・ダンプティ＞は今は亡きもの、日の目を見なかったものを救い出したいという意志の元に動いている。 使うもの全てが既製品だったり他人から買い取ったりしたもので、自分自身の特注衣装などはない。 衝動：妄想でちょっと思い込みが強く、自分を除く全ての『善良なる』人間は報われるべきだと思っているし、 ヴィランやジャームなども、本人はどうしようもなくてもその遺品を『善い方向に使う』ことで魂は天国に行けると思っている。 そのため、敵対した者を倒すことについては非常に積極的。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 【――】 私は、グレゴリーと名乗る『天使』から力を得た。結果的には、愛しき者を『ジャーム』にすることと引き換えに。 あれは日の目を見ない奴だった。それでも日々を懸命に生きていた。 あれから一筋の光すらも永遠に奪ったのはこの私。 『天使』は善か、悪か？　問題はそこではない。 誰もが光の下に生きねばならない。誰も影に消えてはならない。 償わねば。償わねば。償わねば。償わねば。償わねば。償わねば。償わねば。償わねば。 償わねば。償わねば。償わねば。償わねば。償わねば。償わねば。償わねば。償わねば。 償わねば。償わねば。償わねば。償わねば。償わねば。償わねば。償わねば。救わねば。

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