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通過シナリオ「LIFE GOES ON　〜人生は続く〜」 一人称：僕 二人称：君、貴方 見上げるほどの長身と涼やかな面貌が特徴的な男。 190を超える長駆と色素の薄い整った造形が相俟って、近寄りがたさすら感じさせる。 外見だけでもその要素から記憶に残りやすく華がある。 しかし、口を開けば出てくるのはどこかテキトーな印象を抱かせる緩い言葉。 交流を持った人間からは、外見による印象とは逆に「優しい」「お人好し」と言った評価を受けやすい。 と言うのも、頼みごとは基本断らないうえに自身が損を被っても笑って許容するからである。あまりにも無理難題であれば流石に断るが、多少無理をすればいいものは二つ返事で引き受ける。その様は滅私が過ぎるようにも思えるが、頼まれ事を失敗したとき「顔に免じて許してくれ」などとおどける姿は自己犠牲精神からは縁遠い。 おどけた態度をとりつつその後のフォローは確と行う。 そう言った気配りはできるが、ときたま歯に衣着せぬ物言いをして場を凍らせることもあり、デリカシーがやや欠ける。 上記の冗談からも伺えるように、自身の見目に自覚的であり泣き落としや顔で押し通そうとする妙な強かさも持っている。 総じて普通の人間であり、基本的に印象は「優しい人」となる。 「いつもにこにこした優しい人」「案外気安い普通の人」。 その通り時には怒るし感情も伺えるが、その変化はフラットで我を忘れる姿は見られない。感情任せに怒鳴ることも無ければ、時間を忘れて没頭することも無い。 人間、物事に均一な感情しか抱いておらず、その本質は非常にドライなもの。 頼みごとを軽々に引き受けるのも、自身が損をしても笑って受け入れるのも、それが『どうでもいい』事だからである。 デリカシーに欠けた発言が、最も分かりやすく関心の薄さを表している。 拘りが無いゆえに誰にでも優しく、損を損とも思っていないから受け入れる。行う気配りも、気配りと言うよりは自身のついでであったり、都合がよいと判じたためで、そこに好意的な感情は付随していない、 世渡りが上手く、世間体の良い男。 蓮阿が拘りを抱き、感情を揺らす物事は【人間の死に方】のみ。 個々人の【理想的な死に方】を夢想し、それを見たいと切望する。 医者になったのも生命の最先端に立ちより多くの死に方を見るがため。解剖をする死体を見て直感でその【理想的な死に方】を考え、いざどのような死に方をしたのか探っていく。 【理想的な死に方】をした死体にときおり出会えるのが仕事のやり甲斐であり、生き甲斐となっている。 理想的な死に方の場合は瞳を輝かせ喜色満面に賛辞を叫ぶ。 間違った死に方の場合は悲しみ涙を流す。 仕事中はなるべく抑えるようにしているが、死に方を見た後は機嫌が頗る良かったり落ち込んでいたりする。 道行く他人や前を歩く人などを見て、その人の【理想的な死に方】を考える癖がある。 あわよくば目の前で死んで見せて欲しいと無邪気に殺意0で思っている。 人間の死に方に魅せられたのは、幼少の頃、祖父母と買い物中に通り魔に襲われ祖父母の死を間近で見たことに起因する。 祖母が後ろから背中を何度も刺され、それを止めに入った祖父も喉を切られた。 祖母が庇うように倒れたため、蓮阿自身は凶刃から免れた。 覆いかぶさった祖母の体から流れ出た血液がべっとりと服に染み込み、徐々にその体が重く冷たくなっていくのをまざまざと体感した。横に倒れた祖父の首を切られ濁り歪んだ呼吸音、白い顔、不自然に大きな瞳孔を見た。 そうして、体が震えるほど声が出ないほどに、感動した。 茫洋としていた祖父母の姿がよく見える。なんて美しい姿だろうかと。 事件後、両親はPTSDを心配してカウンセリングなどのケアを怠らなかったが、蓮阿にとって忌まわしい記憶どころか、これまでで最も幸福な記憶の一つとなっている。 死に方を観賞するだけでなく、殺人行為に対しても罪意識を一切抱いていない。 人を殺すのはその死に方の一種であり、死に方を見る手段の一つとしか思っていないため。 法に罰せられることは知っているので行わないだけ。 普段は行わない理性を持っているが、極度の疲労や睡眠不足で朦朧としていると『うっかり』殺しかける。 実際に大学生のとき一度だけ、友人(壬生さん)の首に手をかけ殺しかけたことがある。 そして、数年前にとうとう殺人を犯している。 極度の疲労と睡眠不足で朦朧と歩いていた家路の途中、前を歩いていた人の【理想的な死に方】を考え無意識にその首を絞め、殺した。 無意識の行動であったため当初自覚がなく、いきなり倒れた相手に声を掛け状態確認を行った。死んでいる事に気付くと同時に、自身の両手に尋常ではない引っ掻き傷、相手の抵抗の痕があることにも気付き、自身が殺したことを自覚した。 そして、相手の理想的な死に方は絞首ではなかった。 その『自身で理想を壊してしまった』ことに酷く動揺し、まるで被害者かの如く涙すら流した。 間違えてしまった、どうしよう、と錯乱していると学生時後輩であった前川さんが通り掛かり、死体の隠蔽を提案された。『理想を壊してしまったことを無くせる』と逃避し、共に死体が何処かへと埋めた。 この相手は捜索願を出されたが行方不明のまま、未解決事件となっている。 蓮阿の両手にはうっすらとこの時の引っ掻き傷が残っている。 カムフラージュに即日猫を飼った。雑種の保護猫。 通常の付き合いをしていれば一種博愛的で鷹揚な人物。 その本質は自身の生き甲斐以外どうでもいい病的に自己中心的な人物。

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