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職業：宗教家ベース 特徴：暗黒の祖先(D)…30pt 家はもともと地主の分家であり、諸々おこぼれにあずかりながらそれなりに豊かな暮らしをしていたそうだが、先代の人間が本家の人間に意図せず砂をかけてしまい、尻拭いもできずに絶縁されてしまう。 更にはけじめとして村八分に遭い、着の身着のまま夜逃げの如く越してきた先でどうにか産まれたのが総理である。医者にかかる余裕もお金も持ち合わせてはおらず、ただ母親の根気一本で乗り切った出産だった。 けれど出産の際の苦痛によって彼女の様々なものが擦り切れてしまっており、先の見えない日々の中で不安に締め上げられ続けた結果、総理の首が据わる前にその心は壊れてしまう。 心が壊れた彼女の目には、もう恐ろしいものは何一つ見えなかった。そこに映るのは優しさと慈愛に満ちた世界。自分が求めた救いの手の先にあるもの。 彼女はいつだって晴れやかな顔をして、その世界のことを幼い息子に語ってみせた。空想を我が子とのように語る母に首を傾げはしたけれど、総理は寝物語としてたいそう気に入り、たびたび彼女にねだりさえした。 満足に食べるものが無くても、痩せこけた肌を隠す布さえ無くても、腫れ物を扱うような父の視線が、自分達に向けられていても。 母との穏やかな時間さえあれば幸せだと、本気で思っていたのだ。 身の丈が変化を止めて久しい頃、頑なに自分達とは口を利かなかった父親が、初めて自分に声をかけた。 「母さんが生きている世界は、他の人も沢山幸せにしてあげられるものなんだ。みんなが幸せになれたら、それはすごく良いことだと思わないか？」 「だから、手伝ってくれよ。──もう契約を済ませてるんだ、まさか嫌なんて言わないよな？」 父から見せられた書類には、何故か自分の顔と名前が載っていた。 彼が言うには、もう一つ顔と名前が必要らしい。そして父と母はそれには適さないのだとも。 じゃあ、ともだちに頼んでみるよ。総理は何のてらいもない笑顔で頷いた。 その日を境に、総理は多額の借金を抱えた「神子様」となったのだ。 「聖母様」の神託を伺い、信者達に告げる、敬虔な仕えとして。 ＊＊＊ 部屋にあるもの ・聖書(手書きの絵本) ・賢者の石(アクセサリー) ・押し花で作った栞

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