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生徒から「マキちゃん先生」の愛称で呼ばれる保健の先生。穏やかで若干天然な性格。ハンドメイドが趣味で、保健室には手作りのドライフラワーやぬいぐるみが飾られている。「男うけを狙っている」と一部女性教師陣から陰口を言われているが本人は全く気にしていない。意外と大物。 一人称：私 私が覚えている母に関する最後の記憶は、母が家を出る直前、玄関の扉から射し込む逆光を背負って私の頭を撫で微笑む姿である。柔らかな手に、優しい体温。私の知りうる｢愛｣の全て。 『風香、ママはこれからちょっと遠いところに行くけど、いい子にしているのよ。』 ｢いい子｣にして待っていれば、帰ってくると、また愛してもらえるのだと思っていた。 成長するにつれ母親に酷似していく真木風香を父はひどく忌み嫌い、ほとんどそこに居ないものとして扱った。親子の間に会話はなく、末期の癌が分かって入院し、そして息絶えるその間際でさえ、父親から彼女に何か言葉がかけられることはなかった。最後に残った物言わぬ骨でさえ父方の祖父母に引き取られ、手元には欠片一つ残らない。簡素な葬式を終えた後、扉の向こうから僅かに聞こえる怒声と涙声で、自分は彼らにとって｢大切な息子を騙した阿婆擦れの置き土産｣であることが分かった。 そうして真木風香は天涯孤独の身となった。 その後、親戚の家を転々とする過程で、真木風香はいくつかの習慣=技能を身につけた。 ①息を殺して、存在感を消して、誰かの気に障らないようにすること。(=隠れる) ②手芸などのなるべくコストのかからない趣味を持つこと。(=芸術:手芸) ③人の感情を上手く読み取って立ち回ること、また、自分の感情をコントロールすること。(=心理学、精神分析) このような技能を活かして現在は保健室の先生として様々な悩みを聞いている。少しでも居心地のいい空間にするべく趣味のハンドメイドで保健室を飾ったりもしている。同僚の意地悪な女性陣に陰口を言われていることは知っているが、過去の経験上よくある事なので気にしていない、知らないように振舞っている。傷ついていないわけではない。 ｢自殺した生徒｣のことを本当に愛していた。似た傷を抱えた者同士としてわずかでも支えになってあげたくて、そうしてこの子はきっといつかこの痛みを乗り越えて素敵なやさしい大人になって、真っ当な恋をして愛を知って誰かに寄り添って前に進んで行くのだと、彼女と彼女の未来を信じていた。付き合っていることについては重い罪悪感を覚えている。これは弱っているところにつけ込むような良くないことなのだから、その時が来たら私はきっぱり身を引こう、とも思っていた。 …彼女のこれからが幸福なものになりますように。たとえその隣にいるのが私でなくとも。 でもそんなちいさな祈りは届かなかった。彼女は死んだ。真木風香は生徒を失った悲しみ以上に愛した者を失った悲しみに暮れている。もし万が一彼女の死因が自殺ではなかったとわかった時は、激高して刺し違えてでもその原因を殺そう(消滅させよう)とする可能性が高い。 自殺した生徒とは罪悪感やトラウマから身体的な接触はほとんどしていない。唯一愛情表現としてできたのは頭を撫でること。ハンドメイドでお揃いのアクセサリーとか持ってたら嬉しいです！！！！！！！！！！！！！！！！！！(クソデカ大声) 鏡を見るのがあまり好きではない。母親に生き写しの容姿である事が彼女の不幸の原因のひとつでもあるので。 自分の祈りがエゴによるもので、身勝手な話であることも理解している。でも、こうするよりほかにひとを愛する方法を知らなかった。 ロスト。

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