タグ： 白夜

　光を浴びぬ嘆き、希望に届かぬ叫び、誰にも知られることもなく、大地に染みた涙。今はまだ、こぶしを振り上げることすらもできない。何が正解だったかはわからない。このまま目を閉じ、耳をふさげば、少なくとも俺の世界は平和だろう。 　だが俺は’’知ってしまった’’。彼女が九尾の狐として利用されているのを。知ってしまったら、見て見ぬふりはできねぇよなぁ。 　俺たちのいる組織は真っ暗闇だ。このご時世、魔法の研究だなんてやべぇモンに手を出してたら、最終的には身を滅ぼす。だから全部忘れてくれや。いつか俺がお前を、人にして、助けてやっからよ。その時まで、お別れだ。 　濡れ衣ってやつか。案外気持ちわりぃモンだな。まぁ、でも 　真っ暗な地の底で見る光も、悪くはねぇな。 　 呪文【記憶を曇らせる】

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