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二万円 千春(にまんえん ちはる)
ID:3457582
MD:2dc9c218c61f24f6077eeadbd8982b12
二万円 千春(にまんえん ちはる)
タグ:
じゃこ式親
じゃこ式二
じゃこ式二母
二万円家
望むは只々幸せな家族
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生まれ・能力値
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CON
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初期
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21
その他増加分
一時的増減
現在値
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POW
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APP
SIZ
INT
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HP
MP
初期
SAN
アイ
デア
幸運
知識
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SAN
現在SAN値
/
(不定領域:
)
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技能
職業P
/
(うち追加分:
)
興味P
/
(うち追加分:
)
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初期値の技能を隠す
複数回成長モード
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<戦闘技能>
成長
戦闘技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
回避
キック
組み付き
こぶし(パンチ)
頭突き
投擲
マーシャルアーツ
拳銃
サブマシンガン
ショットガン
マシンガン
ライフル
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<探索技能>
成長
探索技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
応急手当
鍵開け
隠す
隠れる
聞き耳
忍び歩き
写真術
精神分析
追跡
登攀
図書館
目星
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<行動技能>
成長
行動技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
運転(
)
機械修理
重機械操作
乗馬
水泳
製作(
)
操縦(
)
跳躍
電気修理
ナビゲート
変装
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<交渉技能>
成長
交渉技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
言いくるめ
信用
説得
値切り
母国語(
)
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<知識技能>
成長
知識技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
医学
オカルト
化学
クトゥルフ神話
芸術(
)
経理
考古学
コンピューター
心理学
人類学
生物学
地質学
電子工学
天文学
博物学
物理学
法律
薬学
歴史
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戦闘・武器・防具
ダメージボーナス:
名前
成功率
ダメージ
射程
攻撃回数
装弾数
耐久力
その他
%
%
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所持品・所持金
名称
単価
個
価格
効果・備考など
価格総計
現在の所持金:
、 預金・借金:
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パーソナルデータ
キャラクター名
タグ
職業
年齢
性別
身長
体重
出身
髪の色
瞳の色
肌の色
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その他メモ
特徴表:天才(美伝から引き継ぎ)、寄せ餌(+60) 年齢による能力値の増減を採用 二万円夢久里、二万円美伝の母親。夢久里は27歳、美伝は29歳の時の子ども。レイブンクロー>グリフィンドール。 国内で有名なグランドホテル「Abusame」を経営する会社、株式会社アブサメグループの社長兼総支配人。 「Abusame」は国内で知らないものはいないであろう程の高級ホテルである。豪華な部屋に大きな温泉・家族風呂も完備、さらには温水プールに合法カジノやら映画館やら、スポーツジムなどもある一大アミューズメントパークとなっている。お値段はそこそこするが、お値段以上に楽しめるぞ! 家族での旅行はもちろん、カップルでの旅行、友達とのワイワイ旅行、団体様の慰安旅行、さらには一人旅用の施設までありとあらゆるニーズに応えるホテルとなっている。 二万円詩聖は彼女の経営するホテルの株主となっており、詩聖に対して最高のパートナーだと彼女は思っている。 そんな彼女は仕事が忙しすぎるのか家にほぼ帰ってこない。不定期なタイミングで二万円家にやって来て、夢久里が経営する温泉に入ってゆっくりし、娘息子とのんびりしゃべり、次の日にまた出ていくといった生活を送っている。子どもと一緒に家の温泉に入るのが今の一番の楽しみらしい。夢久里と潜水合戦してみたり、美伝を着飾ってみたりとなかなかおちゃめな姿も見ることができる。子どものことが大好きなので、抱き枕のように子どもに抱きついてそのまま寝ている姿なんかも目撃されている。 帰ってきたときにはなんかやけに珍しいお菓子を持ってくることが多い。どこかの社長から差し入れられた外国のお菓子をそのまま持ってくるらしい。自分で食べるよりはたくさん子どもがいる家でわいわい食べてもらったほうがいいでしょと言うことだとか。 ちなみに、二万円家のレアキャラ扱いであり、彼女を見れた日はいい事があるらしい。二万円家七不思議にカウントされている。 私には父がいた。 父といっても血はつながっていない。まだ物心もつかないほど幼い頃に、父亞武雨雄大の元に預けられたと聞く。父はとても優秀な経営者であった。いくつものホテルを経営している資産家だった。そんな父の元で、私は育っていった。 私には、もう一人家族がいた。家族というのはきっと、人の形を想像することだろう。だが、彼は違う。大きな甲殻類のような体に羽が生えており、腕にはおおきなはさみのついた、不思議な生き物である。彼の名は”アブサメ ユウゴ”。私の兄だった。彼は人間ではなかったが、小さい頃から彼を見て育った私には些細な違いだ。幼いころは、そう思っていた。 ユウゴは不思議なやつだ。人間の言葉は喋れないらしいが、私と父は彼と会話ができた。彼の言葉を気がつけば操れるようになっていた。ユウゴは研究者であるそうだ。動物を解剖したりして、いろいろ研究をしているとかなんとか。私は一度、ユウゴはなにものなのかと聞いたことがある。彼は、深くは語らなかったが、”ユゴス”から来たらしい。ユゴスというのは、どこなのだろう。いつか連れて行ってねと子どもながらに彼に伝えれば、彼はもちろんと答えてくれた。 父から専門的な教育などをたくさん受け、父から経営術なども学んだ。25になる頃には、父のホテルの一つを任され経営するほどになっていた。ゆくゆくはこの亜武雨グループを継ぐような腕を身に着けよと、そう言われていた。私は言われた通り、一流の経営者となるべく、励んでいたのだった。 その事件は私が25の時のこと。 父に呼ばれ、父の自室に向かう。そこにはユウゴもいた。それだけならいつものことであるが、どうも様子がおかしい。父が部屋についているオートロックで扉を閉める。なぜ、扉を閉めたんだ…? 「お父さん、これは一体…」 『ああ千春よ。お前は十分に育った。そろそろ、”時期”が来た。さぁ、始めようじゃないか。』 そう父が言った途端、大きな破裂音…そして、自分の足に激痛が走る。激痛のあまりその場に倒れ蹲る。痛い…痛い…痛い…。そして、自分の肌から温かいものがあふれ出したことが分かった。自身の足に今まで見たことがないほどの夥しい血が流れている。 …銃で撃たれたのだ。父親に、育ての父に。 『痛いか。すまないな。頭を傷つけるわけにはいかなくてね。』 『私は、もう500年ほど生きている。このユウゴと共に。彼は改造のスペシャリスト。彼に身体を改造してもらい、今の今まで生きてきた。』 『私はね、この世の全てを知りたいのだ。そのためには知力が必要なのだ。』 『こうやって、養子を貰って、ユウゴに改造させ教育を与え、育った頭脳を私の脳に継ぎ足しているのだ。』 『お前は、”これ”を理解できるだろう?』 『お前も、そのために育てた。』 500年…?改造…?知力…?何を言っているのか、理解したくない。私は改造されている…?そしていま、この、父だと思っていた人間と、兄だと思っていた怪物に、殺される? 逃げなきゃ…どうにかして逃げないと…。だがしかし、足は負傷していて動かない。目の前に迫るは、父だったモノ。 逃げなきゃ…、生きなきゃ…、死にたくない…! ──生き残りたければ、ソレを使え 本能なのか、はたまた自分でもわからない天啓が降ってきたのか、私はとっさに右腕を父に向けた。その刹那、右腕から何かが発射された。…えっ、なに…?何が起きた…? 右腕から発射された何かは、父に当たったらしくまるで雷を浴びたかのように激しく麻痺する。そのままむごたらしくうめき声を上げ、そして動かなくなった。 目の前の理解しようもない状況を、ただただ呆然と見ている私に、彼が話しかけてくる。 ──見事だ ──俺は雄大が求める改造以上に、実は今まで改造してきた ──だが、いままでのやつらは全部結局ソレを使えぬまま雄大に殺されてきた ──お前が初めてだ ──実に、すばらしい ──使い方を教えていないのに、使えるのかどうか、試したかったんだ ユウゴが、ゆっくりと語りだす。私は、頭脳以外ににも改造されているそうだ。右腕と左腕に、それぞれ兵器が仕込まれている。使い方は、わからない。死に直面したとき、本能的にその兵器を使って、危機を脱出した。そう告げた。それを聞いた私は、ひどく脱力する。ユウゴは私に詰め寄ってくる。 ──お前の脳みそを見たい、故郷に持ち帰りたい ──なぁに殺しはしない、脳だけでお前は生きていける ユウゴが私を解剖台に運び、いそいそとなにやら準備をし始める。脱力した私に対して、完全に油断し切っている。 ………理解した。さっきまでは情報が多すぎてパンクしていたけど、今、やっと落ち着いた。よしならば、やることは一つ。 生き延びろ…!!! 私は、先ほど父に向けた右腕をユウゴに向ける。使い方はわかる、さっきと一緒。1度使えばもうマスターする、それが私だ。綺麗にその、電気ライフルがユウゴに直撃する。ユウゴが麻痺しながらこちらに向き返り、彼の大きな腕についたはさみを私に向ける。窮鼠猫を噛む、人間舐めんなよ!!もう一発、今度は左腕の武器をユウゴに向ける。使い方は、知らないがわかる…私の身体だから…!! すると左腕から冷気が放たれ、ユウゴに直撃する。ユウゴは見る見るのうちに動きが鈍くなり、そのまま凍り付いた。凍り付いたことを確認してから、ユウゴの解剖用鉈を彼にぶつけたら、彼はそのまま細かく砕けた。 私は、命の危機を脱したことを理解したと同時に、涙があふれて止まらなかった。 泣きながら、足を引きずって、助けを求めたのだった。 結局のところ、私は父に殺されかけ、父は事故で電子機器の電源にて感電死したという形で事件は終幕となった。 ユウゴは、助けの人が来た時点で綺麗に消え去ってしまっていた。私は、多くは語らず、そのまま病院に運ばれた。 この後、亞武雨グループは事業を縮小した。父はいなくなり、私も負傷とショックによって意気消沈してしまい、事業を続けるのが困難になってしまったのだ。父が管理していたホテルはすべて潰した。私が経営していたホテルのみ細々とやっていたが、かなり苦しかった。だが、従業員もいる…せめて自分の経営するホテルだけは…潰したくなかった。私にはそれしかなかったのだから。 そんな中、手を差し伸べてくれた人がいた。それが、経営に助言をしてくれていた、二万円詩聖くん。まだ若いというのにその目は鋭く、経営者として尊敬できる人だった。一時期は存続が危ぶまれていたが、詩聖くんのおかげでどうにか息を吹き返し、ホテル経営は再び軌道に乗った。 詩聖くんには本当にお世話になった。私の事件について表面上なら彼も知っており、いろいろ配慮をしてくれたり、元気づけてくれたりしてくれた。 いろいろ紆余曲折はあったのだが、私は詩聖くんと結婚することになった。詳細については省かせていただくが、決めては「本物の家族を作ろう」というこの言葉だった。 本物の家族を、私も感じたかったのだった。 姓を二万円に変え、彼の家に初めて入った。 そこはなんというか、今まで経験したことがないような場所だった。たくさんの優しい人たちと、かわいらしい子どもたちに囲まれて…、帰ってきたら出迎えてくれて…一緒に暖かい食事をして…。これが、本物の家族なのか。いままでになかった、温かい世界に、心が弾んだのをよく覚えている。 会社の名前はそのままにした。詩聖くんの会社と名前が被るのは単純に避けたかっただけだ。亞武雨の名は捨てたかったのだが…会社名を変えるといろいろ支障が出てしまうのだ。 しばらくして、念願の最初の子どもが生まれた。二万円夢久里ちゃん。かわいいかわいい私の娘。私の、血を引いた本物の家族…。小さい手を握れば、鼓動がトクトクと、私に伝わる。抱きしめれば、その温もりが私の体温と混ざりあう。初めて我が子を抱いたとき、思わず感極まって泣いたのを思い出す。詩聖くんが笑いながら肩を抱いてくれたっけ。 私は夢久里ちゃんを背負いながら仕事をした。預けることもできたのだが、できれば我が子と長い時間を一緒にいたかったのだ。従業員にも迷惑をかけただろうに、みんな快く受け入れてくれた。会議の時なんかは従業員が代わりに見てくれたりして、みんなの愛情を受けながら夢久里ちゃんは育っていった。 そんな夢久里ちゃんが1歳になってしばらくした頃、なんともう一人の家族を授かったことを知る。娘一人でもこんなに幸せなのに、さらなる幸せが私に降ってくるだなんて。私はとても喜んだ。喜びのあまり詩聖くんのところに急に飛び込んじゃって、困らせちゃったかもしれない。 時が過ぎ、第二子二万円美伝君が生まれた。小っちゃい男の子…もちもちしててとってもかわいい。この頃の夢久里ちゃんはすでに2歳、お姉ちゃんになるんだよって言ったらとても張り切っていた。かわいいなぁ。 今度は美伝君を背負いながら仕事をしていたわけだが、夢久里ちゃんはというと、従業員のお仕事の真似事なんかしてた。従業員の子も付き合ってくれてありがとうね。よく、ホテルマンの後ろをちょこちょこついて行く姿を見かけたものだった。かわいい。天使?エンジェル? 夢久里ちゃんはお風呂が好きみたいで、よく一緒に入ったものだった。ちっちゃい美伝君を抱えながら、一緒に歌を歌ってみたり、手でぱちゃぱちゃしてみたり…。 仕事しながらの子育てというのはとても大変ではあったけど、幸せの絶頂だった。 そんな幸せが壊れたのは突然だった。よく覚えてる、寒くて、星がよく見える新月の日だった。 その日は会議が夜まで長引いた。さすがに遅くなりそうだったので、夢久里ちゃんと美伝君は先に家に帰していた。今思えば、それだけが不幸中の幸いだっただろうな。 会議が終わり、休憩もかねてホテルの屋上に来た。疲れで熱のこもった脳を冷ますのに、私はたびたび自然の風を使っていた。今回の会議には詩聖くんも参加していた。詩聖くんはちょうど別の緊急電話が入ったらしく、私は一人で休憩をしていたのだった。 星を眺めながら、いつもの飴を舐めていた。さぁ、休憩が終わったら次の仕事を終わらせて…、ああ早く帰って我が子を抱きたい。そんなことを思っていた。 ──見つけたぞ その声を聞いた瞬間、鳥肌が立ち足が震えあがる。聞き覚えのある、人間じゃ聞き取れない言葉。 その声の主が、羽音をこするような音を立てながら、私の背後にやってきたことがわかった。 振り向くのが怖い。怖い。怖い。 なぜ怖いか? その姿を、私は知っていたから。 ──アブサメが言っていた地球人だな ──俺らの求める研究対象がついに現れたと聞いた ──さっそくだ、連れ帰らせてもらうぞ 後ろの彼が、迫ってくる。ゆっくりと後ろを確認すれば、やはり。ユウゴとまったく同じ外見の化物。 落ち着け。 私は…、私には…、彼の残した武器がある…。思い出せ…勝て…あいつを、殺せ…!! 私は、あの時と同じように右腕を化物に向け、そして同じように、電撃を発射した。 あの時と違ったのは、その電撃を、目の前の化物が避けたこと。 ──本当だ使いこなしてやがる ──まぁ俺には当たらねぇけどな ──安心しな、殺すわけじゃない…連れて行くだけだ 目の前の化物が私に向かって飛んでくる。 まるではさみのような腕で、私の腕をひねり上げた。 そして、ゆっくりと地面から私の足が離れる。 化物が、私を持ったまま飛び立とうとする。 「痛っ…!!やだ、…離して…!!」 ──すぐに痛みは消えるぜ ──すぐにな やだ たすけて はなして だれか 次に気づいたとき、私は地面に投げ出されていた。 何が起きたかわからない。 急いで状況を確認しようと、目を開けた。 そこにいたのは…、詩聖くん…だった。 『相変わらず汚ぇミ=ゴだな!!教えてやるよ、そのアブサメの言っていた子の名はなぁ。"二万円千春"、俺のカミさんだ!!!』 化物に向かって詩聖くんが立ち向かう。化物は避けきれず、詩聖くんのキックを頭部に受けて、そのまま地面に叩き落とされた。 私はただ、その状況を見ていることしかできない。 詩聖くんが化物を踏みつぶし、化物が動かなくなったことを確認してから、私の元に走ってきた。 私はただ、詩聖くんの胸で泣くことしかできなかった。 詩聖くんは、私が落ち着くまでずっと抱きしめてくれていた。その温もりで、動揺した私の心が少しずつ落ち着いていく。 私は、今まで隠していたすべてを詩聖くんに伝えた。父のこと…、ユウゴのこと…、そして、私自身が改造されておりもはや人間でも何でもないことを。 詩聖くんは優しく頷きながら、私の話を聞いてくれた。 私は…呪われているのだ。父と…あの化物によって…。 この日から、あの化物が、無作為に私の元にやってくるようになった。 次に来たのは13日後。その次が8日後、さらに次が19日後…。そのたびに自分で撃退したり、詩聖くんが撃退してくれたり…したものの。 こんな状態で子どもたちには会いようがなかった。次にあの化物がいつ来るかもわからない。あんな危険な目にあわせるわけにはいかない。 私は、しばらく子どもたちからも二万円のみんなとも距離を置くことにした。もちろん、詩聖くんと相談したうえで。 そして、本当に迷ったのだが、二万円の姓を外すことにした。この名前なのに家に満足に帰れない、そんな自分に狂いそうになってしまったのだ。 これは、私の決意。亞武雨を再び背負うことで、絶対に彼らから、幸せを取り戻すのだという、私の決意だった。 次に二万円に戻る時、今度こそ安寧で幸福な家族を手に入れるのだ…。 最初は本当に苦しかった。家族が恋しかった。 あまりにも無作為にやってくる彼らが憎かった。憎さのあまりなのか、徐々に身体に眠る二つの武器を扱うのが上手くなっていった。ふふ、いよいよ人間じゃなくなるね…。初めこそ詩聖くんがいてくれたが、詩聖くんだって暇じゃない。私一人でも身を守れるようにならないと。その一心で私も強くなった。 それともう一つ、あのミ=ゴたちのやってくるタイミングだ。初めこそ無作為だと思っていたのだが、どうやら規則性があるということを突き止めた。ものすごく計算が難しかったが、皮肉なことに彼らに改造されたこの頭脳だからこそ計算できたのだと思う。 規則性を発見し、確実に彼らが来ないと確証を得た時のみ、私は二万円家に帰ってくることができた。 帰ってきたときは、思い切り夢久里ちゃんや美伝君を抱きしめるのだ。家にいられなかった分だけ、たくさんたくさん抱きしめた。 ホテルを経営しながら、裏では化物を撃退し、そしてたまに家に帰る。 そんな生活を18年、いまも続けている。 夢久里ちゃんはニューヨークに留学し、今では家の傍で温泉を経営するほどに立派になった。 美伝君も初めこそ高校を中退しちゃったけど、そこから自分が輝ける仕事を見つけて今も頑張っている。 子どもたちは、どんどん大きく成長していく。 私は、いつになったらこの呪いから逃れられるのだろうか。 私の時間だけが進まない。 時たま、撃退したミ=ゴが持ち物を所有していることがあり、それを研究したりはしている。 実は、詩聖くんも同じように何かの呪いを背負って生きている。 詩聖くんと私、お互い情報を交換しつつ、呪いと懸命に戦っている。 いつまで続くのだろうか。 いつまでも終わらないのだろうか。 それでも、私は諦めない。 家族と幸せに、温かく優しい生活を送りたい。 その願いだけを胸に、今日もここで生きている。 ------ 亞武雨 千春。 二万円夢久里、二万円美伝の母親。 幼少期に亞武雨雄大の元に養女として売られる。そこで、ミ=ゴの改造手術を本人の知らぬところで受けてしまい、それ以来改造人間として生きる。 25歳の時に、父雄大と1匹のミ=ゴによって脳移植のドナーにされかけるも、自身の腕に仕込まれた電気ライフル・冷凍光線銃を駆使して反撃、なんとか生き延びる。 その後結婚、名前を二万円千春に改める。 2人の子どもを出産するも、34歳の時に再びミ=ゴの襲撃にあう。 二万円詩聖の働きによって事なきを得たが、これ以降たびたびミ=ゴの襲撃を受けることとなる。 姓を亞武雨に戻し、ミ=ゴの襲撃を撃退を繰り返しながら、今日に至る。 彼女の秘密を知るは、二万円詩聖ただ一人。 巣寅山での最後の戦争に勝利した彼女は、ついに平穏を勝ち取った。もうミ=ゴに追われることがなくなったのだ。 穏やかな家族との生活をこれから歩めることであろう。 あの日共に戦ってくれた者たちへの感謝を忘れることはないだろう。
※
歌詞を引用、及び記載することは禁止となりました
(Youtubeや歌詞サイトのURLだけ書くことをお勧めします)。
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エラーメッセージ
「クトゥルフ神話TRPG」は
ケイオシアム社
の著作物です。
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