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-概要- 遺書屋として書かせた遺書を、届けるべき場所まで必ず届ける少女。可愛いものと遺書が好き。 依頼が無い時は映えスイーツを求めて様々な場所に出向いている。 -名前について- 屆(ﾕｷ)と名乗っているが、本名は「藤堂 菫(ﾄｳﾄﾞｳ ｽﾐﾚ)」。裏社会に足を踏み入れた時に名前を変えた。 菫という名前には「謙虚で誠実な、小さな幸せも、大きな幸せも掴み取れる子に育って欲しい」という両親の願いが込められている。ちなみに菫の花言葉は「謙虚」「誠実」「小さな幸せ」。 屆という名前は、HO2である殺(ｱﾔﾒ)が名付けてくれた。彼女曰く、「遺書を届けるから」だそうだ。菫が一人前になったら旧字の屆から現代で使われている届になるんだとか。 -家族について- 兄弟はおらず一人っ子で、父と母と3人で暮らしていた。が、菫が5歳の時に両親が離婚、16歳までは横暴で自己中心的な父と2人暮らし。 父はとある会社の社長。機嫌が悪くなると、暴力に頼る。結婚前はそのような事は一切なく、真面目で誠実な人であった。社長という役職を引き継いでから多方面からのプレッシャーに押し潰されてしまい、家族を八つ当たりの道具として見るようになった。離婚後は「頭が良く、優秀で完璧な娘を持つ『俺』はすごい」と思っているために、娘を手放そうとしなかった。 母は真面目な人で、弁護士だった。結婚後は父の家庭内暴力によって精神を病んでしまい、耐えられずに離婚。その後は父とも娘とも連絡をとっていない。 父がこのような性格であるため、暴力を振るわれないようにいつも顔色を伺って生きてきた。その生活を続けてきたためか、菫自身も気づかないうちに精神がおかしくなってしまっている。 -遺書屋について- 菫が高校1年生になった頃、父の全てを恨むようになり、殺意を抱き始めていた。近いうちに自身で殺そうとしていたが、他会社からの恨みも買っていた父は、ある日依頼を受けたHO2によって殺されそうになる。その現場を学校から帰宅した菫は目撃してしまったが驚く様子もなく、口を切られて話せなくなった父に近づき、自身が持っていたノートに最期の言葉を書かせる。父は菫が助けてくれるだろうと希望を抱いたが、言葉を書き終えた父に対して菫が言い放った言葉は「さようなら」であった。 愚かな父が遺した言葉は実に単純なもので「今まですまない。俺は蓮華(妻)も菫も愛している。」だった。既におかしくなってしまっている菫にその言葉が響くこともなかった。父を殺そうとする彼女のスキルに魅入られた部分もあるのだろうか、一刻も早く父が殺される瞬間を見たかった。 息絶えた父と遺書を見た菫は遺書の魅力に気付く。人が最期に遺したいと思った言葉を目の前で見ることができたこと、書いた本人が死ぬことで初めて「遺書」が成立するということ、どうしようもないゴミ屑にも遺したい言葉があるということ。今まで聞きたくなかった父の言葉を遺書を通して見た菫は「人間の最期の言葉はなんて素晴らしいのだろう」と思う。もっと他の人の最期の言葉を聞きたい。遺書を見る素晴らしさを伝えたい。届けたい。と強く感じ、仕事を見られたHO2は菫を殺そうとするが、菫は「自分を連れて行って欲しい」と頼む。生まれて初めて自分の意思で行動することを決めた菫は髪を、服を、名前を変え、父の遺産や必要なものを鞄に詰めてHO2の殺について行くのであった。 それからは、依頼を受けて菫もとい屆が遺書を届け、殺が殺すという遺書屋を始めることとなる。初めて屆が遺書を届けたのは自身の母親だった。父の遺産と遺書に加えて藤堂菫としての遺書も母に渡し、表社会から完全に藤堂菫という存在を消した。離婚して以来一度も会っていない母は屆の正体に気づくことなく、その遺書を受け取り父と菫の死を認めた。藤堂菫を完全に消し去った屆は殺のことをアヤ姉と呼び、共に暮らすことになった。3年の月日が経ち、現在では色々と様になってきたと思う。 -HO2殺(ｱﾔﾒ)について- 屆の憧れであり、師匠であり、新しい家族。彼女が依頼で行う殺人はどれも綺麗で美しいと思っている。彼女になら殺されても構わないし、殺が人を殺める姿を誰よりも近くで見たいたい。彼女の動きは無駄がなく、美しいから。 自分に新しい名前や居場所を与えてくれた殺にはとても感謝しており、彼女だけは死なないで欲しいと思っている。死ぬなら遺書を頂戴。貴女の最期を見るのは私だ。 出会った当初はどう感情を出して良いか分からなかったため、表情を出さないようにしていたが、現在ではすっかり懐き、表情豊かになった。初期は「お姉さん」「あやめさん」と呼んでいたが、三年が経過した現在では「アヤ姉」と呼んでいる。 -屆(菫)について- 実際は明るく好奇心旺盛な性格だが、精神がおかしくなった父の機嫌が何で悪くなるか分からないため、清楚で大人しい姿を装っていた。黒髪ストレートロングにメガネ。学級委員も務めていたほどの優等生。すべて父の望むように生きてきたために、他人の表情を見て物事を決める癖がある。屆として生き始めてからは自分の意思をしっかりというようになった。 好きな食べ物はグラタン。甘いものならショートケーキとフルーツタルト。母が作ってくれた食べ物で記憶に残っているのがグラタンだから。子供が好きなようなものや女の子が好きそうな物は大体好き。 -技能、持ち物について- 戦闘技能は全て殺に教わった。ナイフだけは元から父を殺す為に学んでいたので、他の戦闘技能よりも優れている。変装は、菫としての姿を捨て新しく屆として生きようとするため。これのおかげでメイクが上手くなった。医学は、父に暴力を振るわれた時に対処するため。応急処置だけじゃ済まない怪我もあったので、独学でどうにかした。心理学に関しても父親が関わっており、機嫌を損ねないように顔色を伺っていたから。 武器はサバイバルナイフで、恐喝用にハサミを持っている。遺書屋の届人として、何がなんでも遺書を受け取らなくてはならないから。勿論、自分が遺書に執着しているからというのもある。「書くものがない」と言い訳された場合も対処できるように万年筆と便箋、封筒は必ず持ち歩いている。また、仕事の時は必ず手袋をしていく。依頼とはいえ、警察に追われることにはなりたくないから。

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