タグ： しゅういん ほのか

執印組に属する組員の1人で組長の娘である“執印真夏”の護衛係。真夏は現在17歳で穏夏とは6歳の差があるが互いに兄妹に近い存在。互いに互いが大切で互いの幸せを願っている。 【過去】 母親は自分と繋いできた手をバス停で離した。瞳から沢山の涙を流しながら何度も｢ごめんね｣と繰り返した。それ以外は何もこぼすことなく、自分に背を向けて母は元きた方向と逆方向に歩いて行った。齢12歳にして少年は母が自分の事を思ってその手を離したこと、そして自分がそれを追いかけては行けないことがわかっていた。度重なる多重人格の父の癇癪と借金の重荷にもう家族は耐えられなくなっていた。 彼は母から離れた日から宛もなくふらふらと街を歩き続けた。もしかしたら割り切ったつもりでも母親を探していたのかもしれない。突然降り始めた雨を避けるために軒下に隠れた。 たまたま通りかかった高そうな真っ黒の車。おりてきたのは一人の自分より幼い少女で、彼女はその小さな手で傘を差し出し｢帰ろう｣と声をかけた。 少女は極道の娘で彼は彼女の護衛及びに組に入ることを条件に家族に迎え入れられた。

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