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“どこにでもある家庭で生まれ、ありふれた幸せの中で育ち、苦悩することもなく大人になった男。 ただ物心ついた頃から女に心踊ることがなかった。しかしなまじ顔がよく異性にもてはやされた為、 いつまでたっても浮いた話のでない彼に、両親や周りの人は「どこかおかしいのでは」と よく揶揄するようになった。そして男は自分が「本当におかしいのではないか」と考え始める。 そしてきっかけは単純。大学に入り医者を一時は目指す、合コンで1人の女性に初めて初恋をする。 だが「自分はおかしい人間なのではないか」という疑念からそれが「正しい初恋」なのかわからず 結局その女性は友人と恋人になりやがて結婚した。 当たり前に「嫉妬」したし「後悔」もした。だが彼は考えた。 自分の考えていることは　世の中でいう「おかしい」事なのだろうか? もちろん周りの知人に相談してもありふれた答えをされた。曖昧な話で終わった。 本来ならそこで納得するはずだったが、「正しいか」「おかしいか」その二択に縛られてしまい 男は自分の感情や生き方全てに疑問を抱き思い悩んでしまう。 もっと自由な生き方をしてもよかったのに男はそればかりに気を取られて思い悩み鬱々としていく。 そして生きることが苦しくなった。心の病院にいくのも気が引けた。そのうちだんだん酷くなった。 なんとなく死にたくなって、気がつくといつもの駅には下りずに遠くまで電車で走って、目についた駅に降りた。 なんとなく海が綺麗だったから目についた崖から飛び降りて、入水自殺を図った。” 愛や正しさとは何か、と自らを縛り付けて勝手に自分を追い込んだ男。 どこにでもいる平凡なサラリーマン。栄養ドリンクを売る営業課。 世の中にとって自分は正しいか正しくないかを考えすぎて鬱になり、そんな世界も自分も嫌になった。 童貞だしゲイではないつもりだが同性愛に偏見はない。 ストレスと体質のせいで髪色は白髪混じり。体は無意識に爪で引っ掻いたり「ふと」死のうとして ついた傷が多いが、両足の傷跡がひどい。 「ふと」自殺を図りたくなって車で事故を起こして失敗し、親に泣かれてそのたび自分を責めた。 しかし死に大してあまりにも抵抗感がなくたやすく死のうとしてしまう。ふわふわとした、生きた亡霊のよう。 だが周囲の人が悲しむと自分を責めるくらい男は人並みに優しかった。 事故を起こして後遺症として左半身不随となった為、仕事は営業課から移動となり管理課にてデスクワークをしている。 いくつかの自殺未遂の後遺症でとくに左足が悪く杖をつかないと歩けない。 両足は車の事故で火傷と傷跡、窓ガラスの取り除けない細部が体内に残ってしまい歩くたびに 足に痛みが走る。服の下は左側を中心に火傷跡がおびただしく広がっている

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