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2015 精神科医 特徴表5-2　斜め上からの発想 探偵である深海 来栖(ふかみ くるす)の助手を勤めていた。主にメンタル面で深海を支えており、本人もその自覚はあった。 ある夜、コンビニへ飲み物を買いにで外出した際薬中の通り魔に刺され死亡。通り魔はすぐ近くの林の中で自殺していた。 一人称：私　二人称：あなた　深海 来栖に対して：先生 ---------------------------------------- あ、と思った瞬間には腹部に固いものが突き刺さっていた。それは固く鋭い、どこにでもあるような包丁、それが私の腹にあった。 包丁を刺した男の顔を見れば、焦点の合わない目はどこか遠い場所を見ている。正気ではないのは一目瞭然だ。 抵抗しようとする前に、それは引き抜かれる。途端にあふれ出す血液は傷の深さを物語っていた。 焼けつくような熱と鋭い痛みを感じる前に、二度目の衝撃がまた訪れる。 二度、三度、四度……そのたびに痛みと熱に襲われる。いまだかつてない痛みに立っていられなくなりその場に倒れこむ。 腹が痛い、熱い。それなのに身体は寒い。 男は倒れた私を見下ろしながら、何事かぶつぶつと呟いている。これ以上危害を加えるつもりはなさそうだ。まあ、今更な話だが。 警察に電話をかけたいのに、指先がいうことを聞かない。力を込めても震えることすらしてくれない。 寒い、瞼が重い。今ここで瞼を閉じれば二度と目覚めないのは私が一番よくわかっている。 まだ、眠るわけにはいかない。 脳裏によぎるのは自分が先生と呼ぶ探偵の姿だ。 我儘で自分勝手に私を振り回す人使いの荒い変人。そうだ、明日だってシフォンケーキが食べたいと言っていたから、買っていくと約束していた。 近所のケーキ屋の菓子が先生は好きだから、食べたいと言われたときはそこで買っていた。明日もそのつもりだった。 あれ、今考えることはこれではないのに、早く電話をかけないと。そう思っても身体は相変わらず動かない。 気が付くと男はいなくなっていた。しまった。捕まえなければいけなかったのに。先生に嫌味を言われてしまう。 そんなことを考えていると、ぼやけた脳に先生の声が響いた。 『まったく、君はとろいなぁ』 仕方ないじゃないですか、突然のことだったんですよ。 『それにしてもあまりにも無抵抗すぎるだろう。それでも僕の助手かい？』 先生と違って荒事には慣れてないんです。誰も彼も得意だなんて思わないでください。 『おい、寝るなよ』 寝るつもりなんてありませんよ……ただ、瞼が重いんです、寒いですし、何も、考えられなくなって…… 『仙水』 ……せんせい、すみません 明朝、路上で若い女性の遺体が発見される。 遺体の腹部には複数の刺し傷があり、死因は出血死と確認された。

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