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レイドウ・ウカゼ(27) 極めて冷静であまり喋らない女性海洋研究家。ドゥルミア・パーパヴェロ帝国では珍しい東の倭国出身で、その為容姿がやや他と比べると違っている。 海に面した家に住んでいたおかげか昔から海とそれに関するものへの興味が強く、何時も海で遊んだり泳いだりしていた。その為泳ぐことが得意で、水泳の授業等でも頻繁に1番をとったりもしていたほど。昔は明るく笑顔の溢れる人懐っこい性格をしていたのだが、とある事情によりその性格は一変してしまった。 今は以前の性格とは真逆の、表情の変わらない冷酷で冷徹な人から避けられるような人物に様変わりし、本人も周りの人間とは距離を置くようにしており、そういった理由から人とあまり関わらない仕事である海洋研究家という職業につき、20歳になるまでは倭国の周りに誰もいない海の近くの森で居を構え、仕事に没頭していた。 が、しかし。20歳を過ぎた頃、そうした海洋研究家としての才能を買われ、倭国より西にある発展していると噂のドゥルミア・パーパヴェロ帝国へと招待された。本人としてもその招待はかなり都合が良いものであったため、その招待を直ぐに受け入る事となる。そうして迎えたドゥルミア帝国では、珍しい東洋人ということもあって見世物といった扱いや差別なども沢山されたが、しかし、レイドウには海洋研究家としての実績があったために直ぐにその力を認められていくようになる。 物事の白黒はハッキリしていないと気が済まないタチで、自身の正義がかなりハッキリとしている。彼女の出身である倭国では周りに合わせることを美学としているのだが、彼女はそういった自国の美学が嫌いであり、自分の個性はきちんとハッキリ出して、自分の意見がいかに相手と合わなくともそれが自身の信ずる道であればキチンと表明する事が大事な事だと考えている。又、殺人等の犯罪に対しては人一倍敏感で、そういった事をする人達を許すことが出来ない。目には目を歯には歯をという言葉もある通り、彼女はそういった事をした者はそれ相応の罰を受けるべきだと信じて疑わない。だからこそ彼女は相手が悪人であると己の正義で持って線引きしない限りは誰に対しても基本的に優しい。ただ、人と関わるのが好きではないだけで。 _____________________________________ 彼女は彼女が7歳の時に２つ下の妹を無くしている。 妹の名前は、レイト・ウカゼ。彼女とは仲が良く、いなくなってしまうその前日まで一緒に海で遊んだりしていたし、これからもそういった日々が続くものだと少なくともレイドウはそう感じていたのだ。しかし、その夢は儚くも無惨に砕け散ることになった。妹は、ある日を境に突如失踪してしまったのだ。…………その事件があった翌日から、彼女の性格は一変してしまった。それまで明るく無邪気で人懐っこかった筈の彼女は心に傷を負い、真反対の性格へと様変わりしてしまったのだ。異様なまでのその変化に両親が何も思わないはずもなく、両親は次第に彼女の変化を気味悪く思い始め、彼女の性格が変わった理由を互いに押し付け合い始めてしまった。次第にその押しつけあいは悪化していき、ついに彼女の両親は離婚へと至る事となる。彼女が引き取られたのは母方の家。母親は彼女がまた昔の性格に戻るように日々彼女に愛を与え続けてくれているが、深い傷を負ってしまった彼女はその母親の愛を純粋に受け入れることが出来ず、拒絶こそしないがやはり傷を癒すに至る事はないようだ。又、彼女には失踪した妹の他にもう1人5つ下の弟がおり、その弟も母方に引き取られた。その名前をレイセと付けられたその弟は彼女の反転した性格しか知らず、姉についても全く知らない為にウカゼ家ではレイトに関する話はタブーとなっており、その話をしない事が暗黙の了解となっている。だからレイセは1つ上にいたはずの姉の名前すら知らないのである。勿論、レイドウの本当の性格も。 ただ、レイセは何も知らないからこそレイドウに何の邪念も無く接することが出来、更にレイセはレイトと性格が似ていた為に、レイドウは彼にレイトの面影を求める事でレイセに対しては少しだけではあるが対応が優しくなり、そして避けることも無い。だからレイセは姉の事が大好きであり、又、レイドウも弟の事が大好きである。この互いの好意に関しては寧ろブラコンシスコンとまで言われるほどで、本人達も周りよりも互いへの愛が強いことは自覚しているようだ。 尚、レイドウの母親はレイドウを愛しているのだが、しかし、レイドウの父はその限りではない。そもそも彼女の母親と離婚に至った原因というのはレイドウであり、その彼女は不気味なまで性格を変え、ついには父親である自分へも他人行儀ときた。そんなこともあってかレイドウの父は次第に自身の娘であるレイドウの事を憎むようになった。しかし、そんな父親にも父親としての信念等はあったため、彼は次第に家族から逃げるようにして外国への引っ越しを決めた。その逃げともいう引越し先の国は、ドゥルミア・パーパヴェロ帝国。この国ならきっと家族も来ることは無いだろうと、そう思ったのだ。…………その後、その引っ越す原因となる娘が来てしまうことも知らずに。

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